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Cross Road
嬉しい言葉(秀)





…気分、最悪…。


「おっはよ〜秀君っ」

『!』

次の日の朝。ベットで寝ていた秀に抱きつく純花。

『うるせ…黙れ』

純花を押し退け、秀は起きた。
窓からはまぶしい光。もう9時は過ぎているだろう。




「昨日はすっごい楽しかったよ」

ルームサービスで食事中の2人。
『………。』

「私達、相性い〜のかも」

純花は、すごく満足したようだ。でも、秀は無反応。

相性…?
別に良くも悪くもないだろ。







純花と別れ、家に帰ると、もう10時近い。
そして、2時間目の授業中ゆ登校。
教室の後ろの扉を開けるとと、みんなが秀を見た。

『…ふぁ…眠っ』

あくびをしながらアズを見た秀は、アズだけがこっちを見てないことにイラついた。

「た…高柴くん…とりあえず、席に着きなさい」

先生は、秀の機嫌を損ねないように言った。
秀は、無言で席に着いた。

…目も…合わせないんだ。











「アズ遅ーい!先行くよ?」

次は体育なのでみんな更衣室で着替えてた。
秀は1人制服を着たまま、女子更衣室の陰に立っていた。
アズは図書室で貸出をしていたので最後になってしまったようだ。

「ごめん…先行ってて」

理沙が先に行ったのを確認すると、秀はアズ1人の更衣室に入る。
目に入ったのは、ハーフパンツに半袖のジャージを着たアズ。

アズはよほど急いでいるのか、ドアの方を見ないで脱いだ服をロッカーにしまっていた。

秀は、昨日の男の存在が気になって仕方ない。

そして、ドアの内側からガチャ…と鍵をかけるた。

「!」

ビックリしたアズは、ようやくこっちを見た。

秀を見たアズの足が震えた。

「……高柴くん…」

アズは、すぐに目が泳いだ。

目も合わせられないほど…後ろめたいコト…したんだ。

『………。』

無言で近づく秀。ちょっと後退りのアズ。
アズの背中にロッカーがあたる…逃げ場がなくなった。

「…あ…あの…授業が…」

秀は、アズの言うことは無視してキスしようと、唇を近づける。

「!……嫌っ…!」

『!』

アズに突き放された秀は、驚いた…と同時にイラついた。

「…あ…ごめんなさ…」

アズが謝ろうとしたとき、秀は…アズの横にあるロッカーを殴った。

「!」

バァンッ!と大きな音が、2人きりの更衣室に響く。
アズの体がビクッとした。

何だよ…ソレ。

『…何で拒(コバ)む?』

そんなに昨日の男が…よかったのかよ。

「え…?」

秀はクスクス笑っていた。

『他の男に…ヤラせたんだ』

「!」

『ずいぶん軽いな。お前の好き…は』


すると、いきなりアズは秀にビンタをした。
そして、ポロポロ泣いていた。

いって…何で俺様が殴られるんだよ!

そんな目をした秀に、涙ながらにアズは訴えた。

「…キス…だけだもん。かわすヒマ…なくて」

『…俺のはかわせたのに?』

キス…したんだ。

「…何で…そんな言い方しかできないの?」

『?』

…怒ってる?

秀の上着をつかみ、前後に揺すった。
アズの近さにドキドキの秀。

「私自身が一番ムカついてるの!」

秀はちょっとずつ後退。

「…傷ついてるの!自分が許せないの!」

『……?』

アズがしがみついてきた。

「何で…一瞬でも、気…抜いたんだろ…って」

『………。』

アズの言い分を聞いて、秀の怒りは治まってきた。
そんな秀に、アズのトドメの一言。


「キスも…それ以上も…高柴くんとしか…したくないのに」

アズは、秀の上着を更にギュッと握った。

やば…すっげぇ嬉しい。


『…アズ』

「!」

好かれていることが改めて確認できてホッとした秀は、アズをギュッと抱きしめた。

キスも望んだものじゃないというアズの言葉を信じた。


『ごめん…』

そう言うと、アズの顔を上に向け両手で押さえる秀。

アズがギュッと目をつぶると、秀はさっきまでとは違って…優しく言った。

『…忘れさせてやる。俺だけ…感じてろ』

そして…キスをした。優しく…くすぐったいキス。

それから…徐々に舌をからませる。

「…あ…んっ…んん…っ」



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あきゅろす。
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