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奪った男
キモチ




「…マジで?」

冬馬は相変わらずで、全然読めない。
今も昼休み中、教室に遊びに来た後輩女子の相手。

「伊崎先輩ってば〜」

楽しそうにジャレるのを見た彩華は心が痛む。
後輩女子は、小さくてかわいくて童顔なのに胸は大きい。

冬馬の笑い声に耐えられなくなり、教室を出た。


「中川」

すると、八雲に声をかけられた。

「八雲くん。この間は本当にありがとう」

自転車に乗せてもらったお礼を言った。
すると、八雲が笑う。

「全然いーって。俺、体力自慢だし?」

「ふふっ…そっか」

つられて彩華が笑うと、八雲が突然言った。

「中川、俺と付き合わない?」

「!」

突然すぎて固まっている彩華。
たまたま通りかかった冬馬も聞いていたようで、固まっている。

「あ…ごめん。ビックリしちゃった…」

冬馬と目が合ったので、すぐにそらして八雲を見た。

「…ビックリしすぎて…わかんない。少し…考えさせて」

ハッキリ返事はしなかった。

「そ…そーだよな。今のは告白のタイミングじゃなかった!悪い。でも…マジだから。考えてみて」

八雲が笑って場の空気をなごませようとしていたのでホッとした。

「うん…ありがとう」








「…考えるって…何?」

教室に戻ろうとすると、たまたま誰もいない廊下で冬馬に声をかけられた。

「そのままだよ」

素通りしようとすると、冬馬が腕をつかむ。

「何だと!?」

「痛っ…」

力が入っていて、かなり痛い。

「そんな勝手許すか」

「やっ…!と…冬馬!」

冬馬が突然かがんで、パンツの上から、彩華の一番弱いポイントを舐めた。

「ひゃ…んっ、あんっ…」

冬馬の舌で、一気にパンツが濡れる。

「ダメ…冬馬っ…人が来ちゃう…」

「知るかよ…」

「冬馬ぁ…お願い…っん」

足がカタカタ震える。力が入らない。
すると、彩華の耳に人の話し声が聞こえた。
近づいてくるので、焦る彩華。

「冬馬っ…人が…」

「………。」

すると、冬馬は近くの使われてない教室に入る。
使わない机やイスがごちゃごちゃ。

「…っきゃ…!」

机に押し倒され、また同じように舐められた。
しかし、今度は直接。パンツは脱がされた。

「ひぁ…っ、冬馬ぁっ」

さっきまでじれったかった分、冬馬の舌に一気に感じた。

「あぁっ…あんっ、あっ」

すると、急に冬馬が吸い付いたり、早く舐めてきた。

「あっ…冬馬、ダメッ…!」

音がいやらしくて、だんだん気持ちが上り詰めてきた。

「あぁっ、冬馬ぁ…っあ、冬馬ぁっ」

体がビクッとケイレンしてイッてしまう。
しかし、冬馬の舌は止まらない。

「冬馬…ダメェ…」







5時限はサボり。

「あっ…んんっ!」

彩華はまたイッた。
舐め続けられて、頭が回らない。何回イカされたかもわからない。

「…っあぁ…っ」

すると、冬馬が舐めるのをやめた。
でも、逃げる気力なんてなかった。
むしろ、冬馬を待っていた。

「彩華…欲しい?」

冬馬が意地悪く聞く。
入り口をツンツンつつく。
ヒクヒクして冬馬を待ちわびてるのを、気づかれないようにしなきゃ…と彩華は必死だった。

「いらな…」

否定しようとすると、冬馬が少しだけ入れた。

「あっ…」

思わず感じると、冬馬がクスクス笑った。
彩華は耳まで真っ赤になった。

「…欲しいくせに」

彩華は入り口からなかなか奥に入れてくれない冬馬に初めておねだりをした。

「冬馬が…欲しい」

「!」

彩華はもどかしくて、早く冬馬に抱かれたかった。

「…あんっ、あ…あ…冬馬が…んっ」

冬馬が中に入ってくると、彩華は気持ちよくて、声は止まらない。

「冬馬ぁ…スゴいっ…壊れちゃうぅ…っ」

「彩華…八雲が好き?」

突きながら冬馬が聞いてきた。

「あぁぁっ…っあぁ…」

彩華は首を横に降って冬馬にしがみつく。

「冬馬ぁ…っ、冬馬ぁっ」

気絶する寸前に彩華が言った。

「冬馬が…好きぃっ…」

「!」

驚いた冬馬が動きを止めたが、彩華はもう気を失っていた。








「…ん…?」

気がつくと、ちょうど5時限終わり。
服はきれいに整えてあったが、彩華は途中からあまり覚えてなかった。
ただ、体はまだ熱いので、抱かれたのは確実だ。








「ち…ちょっと…」

部活の休憩中、ファンのコのところに行こうとする冬馬を引き止めた。

「何?」

なぜかニヤつく冬馬。

「あの…さっき私何か言った?」

「さっき?」

「うん…途中から…よく覚えてないの」

彩華が少し赤くなる。冬馬は答えた。

「…スゴいと…好き」

「嘘!?そんなの言うはず…」

真っ赤になって逃げた彩華。恥ずかしくて、冬馬の近くにいれなかった。
部室の前まで行くと、

「中川?」

八雲が通りかかる。
彩華は、

「八雲くん…あの…」

さっきの答えを言おうとした。

「…伊崎が好きなんだろ?」

「!」

八雲に言われて驚く彩華。

「何?バレてないと思った?」

「え…?」

「伊崎を見るときだけ中川…妙に緊張してるし」

八雲が笑ってくれた。

「とりあえず、言っておきたかったから言っただけだから…気にすんなよ」

「八雲くん…ごめんね…ありがとう」

すると、八雲が突然抱きしめてきた。

「八雲くん!?」

彩華が戸惑っていると、

「お前、伊崎の気持ちに気づいてないだろ?」

「!?」

八雲が言った。すると、冬馬が後ろから走ってきた。

「何してんだよ!」

「!」

彩華が八雲を突き放そうとすると、八雲が小さな声で言った。

「…少し我慢して…」

「?」

すると、冬馬がすぐそこまで来た。

「…放せ」

「嫌だね…中川は別にお前の女じゃねぇじゃん」

彩華が黙っていると、冬馬が八雲から彩華を奪った。

「俺のだ。触るな」

「!」

急に冬馬の腕の中に抱きしめられ、彩華はドキドキしていた。
冬馬はそのまま手を引いて部室へ。
彩華が八雲を見ると、八雲が手を振っていた。




「…ふざけんなよ!」

部室に入ると、冬馬が怒ったので、彩華はビックリしていた。

「俺が好きなんじゃなかったのかよ!何簡単に抱きしめられてんだよ」

彩華は、怒られているのに不思議な感じがした。
冬馬は怒っていると言うより…

「…嫉妬してる?」

ような気がした。
すると、冬馬の顔がみるみる赤くなる。

「バッ…!」

否定しようとした冬馬だが、その場にうずくまる。

「そーだよ。悪いかよ」

うつむいていたが、冬馬の顔が少し赤い。

「無防備すぎるんだよ!」

「!」

「八雲だけじゃない…彩華をねらってる男はうじゃうじゃいんだよ」

「う…嘘。そんなのいないって…」

「いるんだよ!」

冬馬が立ち上がり、彩華をソファーに押し倒す。

「だから…無理やりにでも俺のものにした」

「!」

「彩華が初めてで…俺、嬉しかった」

彩華は顔が真っ赤になる。

「俺は…彩華が好きだったから」

「…え?」

目の前で笑う冬馬に、彩華は頭が混乱。

「冗談やめてよ…」

「本気だけど」

真剣な顔で言われたが、彩華はイマイチ信用できない。

「…やめてよ。冬馬が私なんか…」

すると、冬馬が初めてキスをした。

「…ん…っ」

彩華は、もちろんキスなんてしたことがなくて、どうすればいいのかわからない。
すると、冬馬が唇を離した。

「…キスは両想いじゃないとしないって決めてる…」

「!」

冬馬の言いたいことはわかるが、彩華はどうしても恥ずかしい。

「………。」

何も言えないでいると、冬馬は少し哀しそうに笑った。

「…彩華が…俺を好きなんて…勘違いだったのか…」

そのまま部室を出て行こうとするので、彩華は思わず後ろから抱きついて引き止めた。

「待って!」

「彩華…」

「私…冬馬が巨乳好きって聞いてから…ずっと気持ち言えなかった…」

「!」

「だって…こんなだし…」

冬馬を抱きしめる手を緩める。

「…だから今でも冬馬に裸見られるのは嫌」

「!」

「冬馬が…すぐ飽きちゃうんじゃないかって恐かった…」

彩華は少し震えながら、思い切って言った。

「…でも…冬馬が…好きだから…」

すると、冬馬は振り向いてキスをした。

「…っ…んっ…」

深く激しいキスに、彩華は全身の力が抜けた。

「…誰だよ。巨乳好きなんてデマ流したヤツ」

唇を離した冬馬は、クスクスと意地悪に笑った。

「ファンのコが…」

彩華がテレてうつむくと、冬馬はギュッて彩華を抱きしめた。

「…つかまえた。もう逃がさない」


【End】

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