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奪った男
カラダ



「え…?」

すると、舐めるのをやめた冬馬。だが、すぐに彩華の足を開いた。
そして、冬馬が強引に突っ込んできた。

「いっ…!」

「!」

彩華は急な痛みに涙が流れた。冬馬は入れたまま動かない。

「…最初だけ…我慢して」

「何で…っ嘘つき…痛いよぉ…っ」

「嘘はついてないよ。やめてって言うから、舐めるのやめた」

「!」

「…で、ちょーだいって言うから…入れたの」

「そんな…ヒド…」

泣きじゃくる彩華。冬馬はゆっくり動き始めた。

「や…痛…やめて…抜いてぇっ」

「すぐによくなる…」

冬馬はそう言って彩華の首筋にキスをする。
痛みの中でゾクゾクした彩華は思わず冬馬に抱きつき、

「…あぁ…んっ」

今までで一番甘い声がもれる。
それでハッとした彩華が慌てて冬馬から腕を離したが、冬馬は笑った。

「彩華、俺が好きだろ?」

「!」

黙って赤い顔のままうつむくと、冬馬が激しく突き上げた。

「ひゃ…やぁぁっ」

痛くて何度も首を横に振る彩華だが、冬馬の体が近くてそれだけでドキドキした。
冬馬とつながっていると思うと、嬉しくて痛みにまざって…快楽が押し寄せてくる。

「あぁぁぁん…冬馬ぁっ」







ヤルだけヤッて冬馬は、さっさと部室を出た。

「……っ…」

彩華は、冬馬の愛情のなさに涙がポロポロ落ちた。
本命が相手してくれないから…誰でもよかったんだと思うと、苦しくてたまらない。

「…片付けなきゃ」

冬馬は好きだ。
でも、初めてで…怖くて、嫌でたまらなかったはずなのに、感じてしまった自分にイラ立つ彩華。

それに冬馬に気持ちを知られてしまった彩華は、どんな顔をして冬馬に会えばいいかわからなかった。

痛む下半身のせいで、歩くのが少しキツかった。





部活が終わり、着替えると冬馬がいつものように待っていた。
だが、今日はファンのコに囲まれていた。

「冬馬くん、一緒に帰ろうよ。みんなでカラオケ行くんだ〜」

「え〜?どうしよっかな」

今日は、そんなやりとり聞きたくないし、見たくない彩華は…

「八雲(やくも)くん!」

たまたま通りかかった、自転車で帰ろうとする八雲兼久(かねひさ)をつかまえた。

「中川?どーした?」

八雲とは1年のときクラスが一緒で、ムードメーカーな明るい八雲と彩華は仲良しだった。

「あ…ちょっと急いでて…途中まで後ろ…乗せてくれない?」

「あぁ。いいよ」

彩華はそのまま自転車にまたがって、冬馬から顔を背けるように反対側を向いて八雲にしがみついた。

「じゃあな、伊崎」

八雲が帰りぎわに、冬馬にあいさつ。
彩華は冬馬の方を向かなかった。

「八雲、彼女〜?」

冬馬の周りにいたコが冷やかすと、

「バーカ、違うっての」

冷静に答えて、八雲は自転車で走り去る。
冬馬から離れられてホッとした彩華は、そのまま自転車の揺れを感じて目をつぶった。





「…ありがとう」

家まで八雲が乗せてくれたので、彩華はお礼を言って自転車を降りた。

「いいってこと!じゃあ、またな」

八雲のおかげで、今日は冬馬と顔を合わせずに済んだ。
手を振り見送った。








「…冬馬く〜ん!」

部活中、やっぱりいつものようにファンが見にきている冬馬。
今日はいつもより長く話していた。

「彩華、呼んできてよ〜。伊崎ばっかり片付けほとんどしないし」

先輩マネージャーの高田美保(みほ)が、彩華に言った。

「…今日は私が冬馬の分も片付けます」

「!」

「たまにはファンサービスもいいんじゃないですか?」

「…?」

いつも真っ先に怒る彩華のリアクションに、美保も戸惑った。







「じゃあ、お疲れ」

美保が先に帰ろうとする。土曜日の今日は彼氏とデートらしい。

「お疲れさまです。来週は洗濯当番代わってくださいね」

「もちろん。ごめんね〜」

「いえ、楽しんでください」

手を振り、美保が帰るとひたすら洗濯をする彩華。



薄暗くなり、部活をしていた人もほとんどいなくなる。
やっと洗濯が終わり、彩華自身も制服を着替えた。

「…まだ痛い?」

上着を着た頃、女子の部室なのに冬馬が中にいた。
彩華はとっさにボタンの開いたままのエリを押さえた。

「…出てって。ここは女子の部室」

声が少し震えると、冬馬がクスクス笑った。

「何で怒るかな?」

「!」

冬馬が近寄ると、後ずさりする彩華。

「そんなに満足できなかった?」

「あ…当たり前でしょ。あんなの…痛いだけで…」

背中が壁にぶつかり、彩華の逃げ道はなくなった。
すると、冬馬が壁に手をついて、彩華を動けなくして目を合わせた。

「でも…最後は良かっただろ?素直に感じてたじゃん」

「!」

彩華の顔が真っ赤になると、満足気に笑う冬馬。

「あの感覚…欲しくない?」

そう言って冬馬が胸をつかみ、服の上からブラのホックを外す。
彩華が戻そうとすると、制服のまだ2つしかしてないボタンを外した冬馬。

「嫌っ」

逃げ場がないので、壁の方を向き、冬馬に背中を向けた。

「…乳首立ってるくせに」

「あっ…はぁ…ぁん…」

背中から前に手をすべらせた冬馬は彩華にぴったりと体をくっつけた。

「やめ…」

首筋にキスをしながら、冬馬はスカートの中に手を入れた。

「…ダメ…冬馬ぁっ」

彩華のパンツの中に冬馬が手を入れると、一気に気持ちがはじける。

「いゃぁぁ…っ」

「…のわりには濡れて…俺を待ってるみたいだけど?」

「!」

冬馬の言葉に、彩華は真っ赤になる。

「そうやって八雲も誘った?」

「?…何言って…」

彩華はパンツをさげられて、おしりを少し持ち上げて…

「あぁ…ぁ」

冬馬がゆっくり入れた。
彩華は昨日のような痛みのない感覚に戸惑った。

「…ゃあぁ…っん」

痛みはなく、変わりに気が遠くなるような気持ち良さ。
冬馬も彩華が感じているのに気づくと、腰をつかんでパンパン音がするほど激しく突いた。

「やぁぁあっ、あっ、あっ、あぁぁぁ…っ」

冬馬の突くリズムに合わせて声がもれると、冬馬は楽しそうだった。

「気持ちいい?」

彩華は首を横に振るが、すると冬馬の手が胸を揉み、乳首をつっつく。
彩華のぴくぴくっという反応は、冬馬にも伝わる。

「あんっ…あっ、あっ、あぁ…っ」

「やらしー…体も…声も」

冬馬のささやく言葉に、今まで感じないようにしていたのに、彩華はイッてしまった。

「や…ダメェ…っ冬馬ぁっ!」








「……っ…」

冬馬に抜かれた彩華は、床に座り込んで泣いた。
心が無くても…自分を求めてくれる喜びを感じた。

「…なんで泣くんだよ。感じてたくせに」

冬馬が少し怒って部室を出ていく。
体だけと思い知らされると、涙は止まらなかった。
こんな体じゃ、冬馬はすぐに飽きてしまう。

体だけの関係なんて嫌だけど、拒んでしまえば…もう二度と近づけない気がした。









それから、冬馬には部室だけじゃなく、屋上や生物室などで抱かれた。

「…ん…っ、冬馬っ」

今日は保健室。
ほぼ毎日のように抱かれた。

「声出すな…先生来るよ?」

保健室でも、ベットがある部屋は隣の別室。
今は2人きり。
静まり返る保健室で、彩華の吐く息だけが響く。

「だったら…激しくしないでよ…ぉっ」

冬馬はクスクス笑って彩華の反応を見ながらもてあそぶように抱く。

「…無理。彩華の体が激しいの待ってるし」

「嘘…絶対そんな…あっ」

急に奥まで突き上げられて、彩華は体がそるほど感じた。

「ひ…ぁぁんっ」

そこからいつも彩華はよくわからなくなる。
冬馬の激しい突き上げに、ただ素直に感じることしかできない。

「あぁっ、冬馬ぁっ」

安っぽい保健室のベットがきしむと、彩華は声を抑えられなくなり、冬馬に手で口をふさがれた。

「ん…んふっ…っ」

そのまま冬馬がイクまで何度も入れられた。



しかし、冬馬は満足するといつものようにすぐにいなくなる。
少しくらい抱かれた余韻(よいん)に浸っていたい彩華は、冬馬のぬくもりが残るベットにしがみつく。

「冬馬…」








冬馬を好きだと感じれば感じるほどに、体しか求められないことが哀しかった。

でも、体のつながりすらなくなったら…と思うと、もうどうしたらいいかわからなかった。




「冬馬く〜ん」

部活中、終わりがけに冬馬がファンのコと話す。
彩華は、もう止めにいかなかった。

「…ケンカでもしてんの?」

「!」

いつものように冬馬を引きずりにいかない日々が続くと、美保が心配していた。

「ち…違いますよ」

「だって伊崎と全然話してないでしょ?」

「…まぁ…」

「なんかいつもの感じがないとつまんないよ〜」

「ケンカじゃないけど…ちょっと話しづらくて…」

すると、美保が背中をぐいぐい押した。

「そんなの、1回話せばなんとかなるって!」

「先輩っ…!」

気づくと、冬馬の目の前にまで押されて来ていた。
押すだけ押して、美保はいなくなる。

「…また邪魔来ちゃった」

ファンのコがボソッと言う。
冬馬の目は見れないが、ここまできたら連れて戻らないわけにはいかない。

「あの…片付けあるから…ちゃんと手伝って」

そう言って一瞬、冬馬の目を見ると嬉しそうに笑っていた。

「…てなわけで、またね」

冬馬がスタスタ部活に戻るので、彩華は後ろをついていく。
冬馬のふいの笑顔に、彩華はドキドキした。




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