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狼と忠犬
命名ペコ先輩
 ―――ふたてに分かれた生徒達。ちびっ子じゃないグループについて行った其処で、ぺ○ちゃんのお面を被った風紀(おそらく先輩)が、一人ずつにテキパキと衣装を手渡していく。
 ざっと見た時に体型なんかも頭に入れていたんだろう、「お前に合うサイズでー面白いやつは…。」とか嫌な呟きを零しながら探しては放り投げる。

「……え…。」

 俺の前に受け取った奴が広げた衣装は……ナースだった。

 ナース、セーラ服、チャイナドレス、ありきたりだが、どれも破壊力は抜群だ。何か言いかける生徒に向かって、ペコ先輩(多分先輩なので)が「あぁ?簡易更衣室はアソコ。さっさと行けよ。」と凄めば、ナースを受け取った生徒は青い顔で走って行った。つられるように他の生徒もノロノロと更衣室へ向かう。


「最後お前……は、コレでいいや。」

 渡されたのは地味なブレザー。でもスカート。…いや、無いし。

「………これは、着たくありません。」
「……は?」
「俺、身体に火傷の後があるんで…足とか肌だせないんです。」

 診断書もありますが。と、こんな時の為に用意してある重度の火傷痕の診断書と写真を見せようかと生徒手帳を探っていたら…ペコ先輩は「んじゃ、コレ。」と別の衣装を出してきた。
 …確かに、短いスカートでは、ない。

「……ドレスとか…女装は嫌なんですが。」
「あぁっ!?なに我儘言ってんだよ?他の奴みんな着てるだろうが。」
「嫌です。」

 ―――着ろ。嫌だ。着ろったら着ろ。絶対着ない。むしろ先輩が着ればいい。なんで俺!?


 数分言い争ったあと、なぜか突然ペコ先輩が笑いだした。


「いいっ…お前、オモシれーよ。そんなに嫌だったらさ、推薦してやるから風紀入らないか?仮装しなくてもよくなるぞ?」

 その強情さは意外と向いてるぞ、と陽気に誘って貰って申し訳ないが…。

「…俺、親衛隊入ってるんで無理ですが。」
「え――マジでか。そんなタイプに見えないのになぁ…。」

 親衛隊員は、風紀に入る事はできない。
 まぁそれがなくても風紀とか嫌だし……と思っていたら、「で、誰の親衛隊?書記?ああ、1年の姫?」と何故か聞いてきた。今関係なくないか?急いでんじゃなかったっけ…と首を傾げつつも、一応先輩の質問には答えておく。

「1年の瓜生さまの親衛隊ですが。」
「瓜生…?んー…んん?んんん?あ、おあーっ!」


 ペコ先輩が俺を指さして叫んだ。

「おま、瓜生日影の副隊長!1年の近衛だろっ。」

 ―――指をさすな。

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あきゅろす。
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