狼と忠犬 2 「痛っ……?」 「いてっ……??」 校舎から出てくる生徒の後頭部めがけて、豆を投げてみる。周囲をキョロキョロ見回す姿を白けた気分で眺めてから、俺は窓から顔を出すのも止めた。 「―――つまらん。」 捕まえたゴリ男が白状した言葉によると、どうやら豆も持って徘徊する俺の姿を見た生徒からの報告で、一部に避難命令?が出たらしい。 「命令ってなんやねん…糞風紀が。節分やぞ?豆投げるだけやっちゅーねん。アホか。」 そりゃ、ゴリ男みたいな面白い態度で俺の前に出てきた奴には、色々オプションつけてやったりもするが。 よし!豆も減って来た事だし、ポケットに入ってたスキンに年の数だけ豆を入れて(大抵16,7個でいいだろう)口をきつく締めたら、下の口から食べられる節分玩具の出来あがりだ。 「ああ〜どっかに、生意気なイケ好かん獲物おらんかなぁ〜。」 俺の特製豆を口にぶち込んでやるからなー! 3つ作れた節分セットを振り回しながら…若干気分が良くなってきた俺は、鼻歌を歌いながら廊下を闊歩した。 ***一般生徒side** 「会長来たか!?」 「いや、こっちには居ないっ」 「マズイぞーーっ高松がやられた!」 「なんだって!?じゃあ…残りはあと1つか?」 「後一人の犠牲で、俺達助かるのか…」 「馬鹿野郎!安心するな!あの久豆見だぞっっ」 「風紀が来たらしいぞ!」 「マジか、良かった…」 「豆ぶつけて逃走したって――っ」 「ええええ!!」 「親衛隊が豆とコンドーム補給しに行ったって!」 「止めろぉぉぉぉぉぉ」 楽しい節分をおくった久豆見会長は、しかし翌日反省文書かされました。 おわり [*前へ][次へ#] [戻る] |