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Short
笹。(佐助×政宗)
七夕特別。

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笹の葉 さらさら。

今日も外は雨。

でも俺の心までは雨じゃない。


「政宗、いる?」

「今日は珍しく自分から降りてきたんだな」

「たまにはね」

政宗は縁側に出て外を見やっていた。

その横にフワリと着地し、手に持っていたものを渡す。

「はい、お土産」

「土産・・・笹?」

そう、然程大きくもない笹の一枝。

「そ。今日は七夕でしょ」

「Ah・・・、そうだな。Thanks」

政宗は俺が渡した笹の枝を持って部屋の中に戻った。

「アンタも書くだろ?願い事」

「・・・んじゃ、お言葉に甘えて」

・・・かと云って雨で濡れたままで、部屋の中に入るわけにも行かない。

硯と筆を持ってきてもらい、縁側で書かせてもらった。

「なんて書いたの?」

「Top secretだ。わざわざ云う必要ねぇだろ?・・・そう云うアンタは何を書いたんだ?」

「政宗と同じく、“とっぷしーくれっと”」

「・・・・・」

無言で俺の手の内にある短冊を持っていく。

途端に赤面する政宗。

「あはは・・・だから云ったのに」

「普通じゃねぇ・・・」

「じゃぁ俺様の見せたんだから政宗のも見せてよ」

「No!!誰が見せるかッ」

まぁいいや。帰るときに飾ってるのをこっそり見て帰るか。

無理強いするほどでもなかったので、そう思ってその場にあったずんだもちを食べた。

「勝手に食うな」

「えー、くれるために出してあったんでしょ?」

「自惚れんな、馬鹿猿。俺が今まで食ってたからに決まってるだろ」

「別に自惚れてないですけどね」

勿論、何だかんだ云っても口でしか止めてこないことをいいことにモグモグと口に運ぶ。

うん、おいしい。

「ご馳走様」

若干恨めしそうな顔をしたけど気にしない。

勝手に人の短冊を見た罰だとでも思ってもらおう。

「・・・で?飾らないの?」

「飾る。・・・まぁ、花瓶に差すだけだけど」

そう云って文机の上に置いてあった花瓶に差した。


「・・・ねぇ、そういえば知ってる?」

花瓶に差したのを見計らって口を開く。

「Un?何をだ?」

「七夕の雨は織姫の涙だって」

「・・・Romanticだな」

「でしょ。・・・何かさ、織姫と彦星って、政宗と俺様に似てるよね」

「Ah-Ha?そうか?」

きょとんとする政宗を見てクスッと笑う。

「そうじゃない?なかなか逢えないしさ」

でも泣いてはくれないけど。

でも、その辺がまた政宗のいいところだなんて思ったりとか。

「But、1年に一度じゃねぇし」

「まぁね」

そう笑ってさりげなく花瓶を見る。

政宗と俺の短冊が風でゆらゆらしていた。

「・・・!み、見た・・・?」

「見てないよ。見えてないし、見えなかった」

「・・・・・なら、いいけど・・・」


・・・嘘。

何だ、俺と同じこと書いてあるじゃん。

「こんな紙きれに書かなくてもずっと一緒にいるよ、政宗」

「見てるじゃねーか」

「おあいこでしょ」

「・・・・・」


今年の七夕も、いい思い出になった。








(ずっと一緒にいれますように)


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皆さんは何かお願いしましたか?

私は全く・・・・


期末でそれどころではなかったw((

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