Short
要。(佐助×梵天丸)
なんとなくショタネタが書きたくなったんでつい。
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「ねぇ、佐助・・・」
苦笑というか、何かを諦めたような笑顔で俺に喋り掛けてくる梵。
「うん?なぁに??」
頭を撫でれるような至近距離に入ってきたので、彼を抱き上げ、膝に乗せて話を聞くことにする。
「何かあったの?」
「んー・・・」
そして、梵は有り得ない事を口走った。
「佐助は、いつまで僕のそばにいてくれる・・・?」
質問の意味がわからない。
「・・・どういうこと?」
「僕なんて要らない子だから」
何も感情が篭ってないような笑顔。その顔は、前にも何度か見てる。
「要らなくないよ」
「僕みたいな鈍間は要らないって」
また彼の親に酷く罵られたのだろうか。
「鈍間じゃないじゃん」
「でも要らないって云うでしょ。こんな醜い子供なんて」
「云わないって」
「早く嫌ってくれていいんだ。夢ばっかり見てても仕方ないから」
それは、とても十の子供が云うような発言じゃない。
「夢見てていいんだよ」
「・・・・・裏切られるのが怖いんだ」
ぽつり、と梵が呟く。
「裏切んないよ」
「忍の癖に」
「え、それ云う?」
「・・・忍は、」
「裏切るのが職業だって?」
「・・・・・」
小さく頷いた。
「って、母上が云ってた」
嗚呼・・・・・義姫さんか・・・云いかねないよな、あの人は・・・。
「あとね、あと・・・・・」
「うん・・・」
「・・・僕なんて要らないって。竺だけいればいいって」
「・・・・・」
「・・・この世に存在しちゃいけないんだって」
それを感情のない笑顔で云う。
「存在、していいんだよ」
「・・・でも、佐助だってホントは僕のこと嫌いでしょ?嫌でしょ?・・・だから早く離れてっていいんだってば」
「嫌いじゃないって」
そう云うと。
しばらくしてから、梵が口を再び開いた。
「人って怖い・・・」
「・・・え?」
「笑顔で平気で酷いこと云うし。嘘ばっか云うし」
「何、云って、」
「嘘吐きは、嫌い。人も、嫌い」
「・・・・・梵?」
「・・・嘘吐く佐助も、嫌い」
「・・・・・」
ねぇ、梵。
確かに、梵に隠してることは沢山あるよ。
真田の忍だってことも隠してるし、今まで沢山の人の命を奪ったことだって隠してる。
本当の目的は俺の主と同い年の梵を殺る為だったのに、その任務を一方的に破棄したことだって隠してる。
そのお陰で、長からとんでもないお叱りを受けた事も隠してる。
でもね、
「嘘は吐いた事、ないよ」
「それも嘘でしょ」
「嘘じゃないよ。本当のこと」
「はっきり云えばいいのに」
「本当のことなのに?」
「虚言しか云わないって白状すればいいのに」
「生憎本当のことしか云えないけどね」
「・・・・・」
「梵は疑心暗鬼になりすぎてるんだって」
俺があんたを裏切れるわけないじゃん。
「・・・どっかの軍に入ったんでしょ?」
「・・・・・」
ねぇ、・・・何で、
「・・・僕と同い年ぐらいの子が佐助の主なんでしょ?」
「・・・・・」
何でそんなこと知ってるの?
「・・・その人を大事にしてよ」
「・・・・・」
何でそんなこと云うの?
「・・・僕なんて、もう放っといてその人のとこn、」
「ヤだよ」
突き放そうとする手を降ろさせて、もう一度、正面を向き座り直す。
「・・・なんで?佐助の主は僕じゃないんだから」
「でも守るべきものはあんたの方」
正直、主なんてどうでもいいんだ。
「もしも僕と佐助の主が戦ってたら、」
「梵のほうに加勢する」
迷いがない即答。そんなの、昔から決まってた。
「・・・そんなことしたら・・・里の人たちに佐助が殺されちゃうよ・・・・・」
「殺される前に里を抜けて、梵のトコに行く」
「・・・追っ手が来ちゃうじゃん・・・・・」
「俺様そこまでショボい忍じゃないから」
思わず苦笑した。
こんなことで笑うなんて、馬鹿げてるかもしれない。
でも、楽しかった。
ふと気づくと、梵もさっきとは明らかに違った笑顔を浮かべていた。
「やっぱり佐助は正直者なんだ」
「えー、さっきから云ってるでしょ!?」
「そうだっけ?」
「そうだって」
思わず、梵をぎゅっと抱きしめた。
「・・・大好き」
「・・・僕も」
(まだ、俺が幼い頃の話。)
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可愛い梵って難しい。
何だかんだで筆頭の幼少期って捻くれてそうなイメージがあるのは私だけでしょうk((
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