お昼ランチ依頼、モサ野郎は俺を見かけるたびにやたら絡まれる。
寧ろ名前を教えた時点で絡みがヒートアップしたような…
「悠斗ってちっさいよな!」
あって第一声がそれって失礼過ぎるだろ!
つか、お前よりも背が低いからって、何の文句があるってんだっ!
「うるさいですよ。それより、あの2人貴方を待っているみたいですよ。」
「いつも言ってるけど、友達なんだから敬語やめろよ。」
ちょ、人の話スルーですか。それといつ友達になったんだよ。俺はそんな記憶ないぞ、この野郎。
「いえ、これが俺なので。」
「えー、そんなのやだ。」
やだって言われても無理なんですが。
「朔、篠原を借りるぞ。」
俺は何者かに後ろから首を締められ、引きずられている。
く、苦しい!俺、もうすぐ窒息死するっ!マジで。
俺はそれを訴えるかのように、首を締めている腕を叩く。
男はモサ野郎の姿が見えなくなったところで、首を締めている腕を緩める。
それによって多くの酸素が体内に行き渡る。
ああ、久しぶりに吸う空気は美味しいな〜
「篠原」
呼ばれたので振り返ると、さっき首を締めたであろう人物は会長でした。
「どうしたんですか?何か用事でもあったんですか?」
「来週行われる親睦会のパーティの事なんだが…」
そういえば、以前どうやって誘えば良いんだ?とか言ってたやつですね。
会長ちゃんと言えたのかな?
「………も来るか?」
「はい?」
「だから、お前も来るのかと聞いている!」
そんな怒らなくても。
親睦会のパーティねぇ……ぶっちゃけイキタクナイ。しかもこういう行事毎は生徒会が仕切ってるって話だし。目の前にはそのボスがいるわけで。
「まだ決めてません。それって具体的に何するんですか?」
「ペアで参加する事になっていて、1人は女装しなければならない。」
うっわ〜、更に行きたくねぇ
「ペア同士で社交ダンスを其々踊り、1番注目を浴びたペアには賞品を送る事になっている。」
へぇ、そりゃすげえ。ま、俺、相手いないし。
「じゃあ、俺相手いないんで参加できないですね。」
ペアじゃなきゃ参加できないなんて俺にとっては好都合。行きたくなかったし。
「そうか、なら俺様と組め。」
………………………。
はい?今なんと仰いました?
頭にハテナを浮かべる俺。
「だから、俺様とペアになれっと言っている!」
ななななななななんですてぇーーーーーー!!
ちょ、貴方モサ野郎を誘うんじゃなかったのかよ?!お話が違いますよ〜
「か、会長。朔という方を誘うんじゃ…」
「俺様と組む事に何か不満でもあるのか?」
俺の話を遮って怖い顔をしてこちらを睨む俺様イケメン会長様。
「い、いえっ!問題ないですっ!」
こうして俺は来週に控えた親睦会のパーティに参加する事に決まった。
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