第一章 04
第一章 04 幼馴染み
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「君が間中 敦君?」
慎吾さんの用が終わるまで待っていろと言われ、図書館で本を読んでいたら、サラサラの黒髪でメガネをかけた美少年の先輩に声をかけられた。
「そう、ですが。」
普段話しかけられない…いや、慎吾さんが常に隣に居るので、他の人に声をかけられるのが凄く久しぶりだった。
「前から聞きたかったんだけど、賀来とどう言う仲なんだ?」
どう言う仲って聞かれても……
御主人様とペットの間柄…とは言えまい。
友達でもないし、恋人でもない。
どう言ったら良いのだろうか。
うーんと考える。
「恋人とかじゃないの?」
「い、いえ!違います。そんな間柄ではありませんっ!」
俺の返答に驚いた顔をする先輩。
「へぇ…でも、賀来が素であんなに接する所を見るのは初めて見たよ。」
そんなこと言われましても。
あれが素だったらある意味問題があると思います。
「先輩はし…賀来先輩のこと知っているんですか?」
俺の問いかけにニコッと笑う。
「うん、だってあいつとは昔からの付き合いだから。」
そうなんだ。
だからあんなこと聞いたんですね。
「素で接せれるってことは、君のことが凄く好きなんだね。」
what?今なんとおっしゃいましたか?
慎吾さんが俺を好き?ないないないない。
「ふふ、彼奴をからかう話題が増えたよ。」
「泰都!!そこでなにしている。」
叫ぶ声の方を見ると怖い顔した慎吾さんが此方を睨んでいる。
「慎吾、図書館では静かに。それに今日は彼に挨拶しただけだよ。」
「はっ、どうだか。」
無言で睨み合う二人と言うより、慎吾さんが先輩に対して威嚇している感じ。
「敦君、僕は弧篷 泰都。またお話しようね。」
先輩はそう言って図書館を後にした。
「敦、何もされてないか?変なこと吹き込まれていないか?!彼奴に何を言われたんだ?!」
俺の肩を掴み、ガクガクと揺らす。
「え、と…慎吾さんが俺を好きとか…」
そう言った途端、固まる慎吾さん。
「し、慎吾さん?」
顔を覗きこむと顔を真っ赤にして俺を強く抱きしめる。
「彼奴が言ったことは全て忘れろ。出ないと犯す回数を増やす。」
今直ぐ忘れますっ!
忘れてやりますとも。
それから暫く何もないまま抱きしめられていた。
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