20 会長side ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「これはこれは大雅殿ではありませぬかwwどったのー?また、副会長さんにハバネロ盛られちゃったのww」 聖の激辛紅茶の所為で気分悪くした俺は、保健室で休んでいた。 「修介……何しに来たんだ?」 そこにヘラヘラした顔で幼馴染の真智修介がニヤニヤしながらやって来た。 「やっだなぁ〜体調不良に決まってるじゃんww」 無理して笑っているところをみると、本当に具合が悪いのだろう。 しんどそうな修介の側に寄り、おでこを掌で覆う。 熱い…こりゃあ熱があるな。 「修介、空いているベットに寝てろ。」 「これくらい大丈夫だよww薬を飲めばちょちょいのちょい〜」 「お前は一度熱を出すと下がらないし、それにその姿を高梨には見せられないんだろ?」 俺の言葉に張り付いていた笑顔がフと消える。 「あーあ、昔から大雅君には叶わないなぁ…」 そう言うとフラフラしながらもベットの中へ潜り込む。 「ねぇ、大雅君…」 弱々しく俺を呼ぶ修介が昔、よく体調を崩していた時みたいな表情をしていた。そして、この後は決まってこう言うのだ。 「眠るまで手を繋いでて…」 俺より少し大きくなった幼馴染だが、この時だけはあの頃のまま。 ベットに腰掛け手を繋ぎ、空いている手で頭を撫でる。暫くすると安心したのか眠ったようだ。 繋いでいた手をそっと離す。執事の貴志に連絡し、修介の世話を任せ保健室を後にする。 「たぁーいぃーがぁー!!」 「ぐへっ!?」 くっそ! 変態に捕まってしまった…… 「ああ…ヘアスタイルは変だけど、美人さんだなぁ〜。キスしてと言わんばかりの唇…奪いたい。」 俺の顔を両手でサンドし、今にも唇を奪おうとする変態の急所を膝で蹴りを喰らわす。 「大雅の愛が痛い…唇が駄目ならせめて髪型を変えさせるっ!」 そう言って、俺が朝30分もかけてつくったオールバックを崩され、髪の毛がぐちゃくちゃに。 「お前なぁ…人が頑張ったってやった髪型を崩すなっていつも言ってるだろうが!!」 ワックスが固まってるから直そうにも直せないし… 「大雅は下ろしている方が可愛いのに。」 変態に可愛いって言われても嬉しくない。 「校則違反じゃないんだから別に良いだろ?」 「じゃあ、今からオールバックを校則違反する! 」 「はぁ……そうするんだったら髪切ってスッキリさせる。」 今の長さだってこいつがしつこく"切っちゃダメ!"とかほざくから、仕方なくオールバックにしてんのにそれまで拒否されたら切るしかない。と言うか肩まで伸びた髪を切りたいだけなんだがな。 「や、やぁだぁぁぁぁ!!短髪にしたら大雅が更に可愛くなっちゃうから、他のグズ共に襲われちゃうよ〜」 「んなのお前しかいないだろう。第一、自分の髪を切るのに、何でお前の許可をとるのがおかしかったんだ。」 「おかしくないっ!だって大雅は俺のお嫁すぁ……」 バカな事をほざきやがるので、回し蹴りして床へと叩きつける。 「おし、今から学園内の美容院に行くとするか。」 床で失神している変態を放って散髪しにいった。 ≪backnext≫ |