大分進むと階段が見えた。会長は躊躇いなどなく階段を登る。普通、二階席ってセレブしか入れない場所だよな?とか思いましたが、すぐ理解。
俺様イケメンは生徒会長でしたね!
二階席は下の内装とはチョット違うんだ…
「篠原様、こちらへどうぞ。」
有村さんが椅子を引いて手招きしてくれる。
「有難う御座います。」
「いえ、昶兎様本日のランチはいかがいたしましょう?」
「いつものでいい。」
「かしこまりました。」
ほえー会話がセレブ感半端ねぇ。
「篠原、昨日の事なんだが……」
会長が昨日の出来事を突然話し出すので、顔が赤くなる。会長もつられて顔を赤くしている。
「その、あれだ、大丈夫だったのか?」
「はい…会長が助けて下さったので……」
有難う御座いましたと言おうとしたところ、また、食堂内が騒がしくなった。
「チッ、あいつらもう来やがったか。」
会長の顔が一気に怖くなる。あいつらって誰なんだろう?しかし、うるさいにも程がある。
「また、あのボサボサ千聖様や理人様に引っ付いてる!」
「ボサボサの分際で莱様に気安く話しかけてるんじゃねーよ。」
「生徒会の皆様が汚れるっ!」
さっきとは違い、野次が酷い。
「あ、昶兎!なんで先に行っちゃうんだよ!」
ボサっとしたヘアースタイルに黒縁メガネを掛けている男子が会長の元へ駆け寄より、会長と話している。
なんかギャップが激しい奴だなぁ
制服は着崩してるし、なんか馴れ馴れしい気がするし。
「なぁ、お前なんでここにいるの?」
話の振り方突然過ぎるでしょ。
あなたさっきまで会長とトークを楽しんでたんじゃありませんか。
この後次々と質問を投げかけてくる。"昶兎とはどういう関係なんだ?"とか"名前、なんていうんだ?"とか"昶兎の友達だったら、俺もお前の友達だ"とか……
俺の答える隙を与えないモサ野郎。つか、いつ会長と友達って言ったよ?しかも、会長の友達なら自分も友達とかおかしい。誰か彼の思考を理解出来る方はおりませんのか?いたら説明プリーズ。
「朔、すまんが今回は高円寺達と別行動させて貰う。」
質問攻めに困っていると会長が間に入ってくれました。
有難う、生徒会長様様。
「朔、忽那会長はこの方に大事なお話があるそうなので、私たちはあちらの席でランチにしましょう。」
モサ野郎の後ろにいた腹黒そうな超美形男子が、モサ野郎を連れてここの席とは少し離れた席へと移動する。
「あの、良かったんですか?」
いや、まぁ、あのままモサ野郎がいたら、ひたすら質問攻めにあってたんだろうけどさ。
「別に構わない。朔には高円寺達がついているしな。」
さっきから思ってたんですけど、高円寺さんってどなたなんでしょうか?モサ野郎の後ろにいた3人のうち、1人なんだろうけど。
「会長は高円寺さんを信頼をしてるんですね。」
「まぁな、副会長だからな。それに……」
ライバルとボソッと呟いた。
ん、ライバル?という事は会長が好きなのはモサ野郎なのか。ふむ、モノ好きな奴な上、ホモだったのか。いや、昨日の行為を躊躇なくしたのはそういうことになるか。
「いつもお話していた方が"朔"と呼ばれていた人ですか?」
会長は顔を赤くしてそっぽを向いている。
「そうだ。けれど…これが好きって気持ちなのかがわからない。」
好きすぎてもうわからない状態に陥りましたか。だから少し距離を置いて、気持ちを再確認しようと試みているんですね。OK、勝手に理解。
「好きって気持ちが分からなくても、一緒に居たいって思うことだけでいいんじゃないですか。俺の出来る事があれば言ってください!会長には昨日、助けて貰った恩もありますし。」
そうだなと言って、いつの間にか用意されていた紅茶を飲む会長。
「お待たせ致しました。」
有村さんによって運び出された昼ごはんはすごく美味しかった。
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