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「悠斗迎えに来たよ。」
部屋から出ると同時にモサモサを取り除いたさーちゃんこと和田原朔の出迎え。実は昨日、ここに来る前に仲良くしていた友達だと気付た。まぁ、本人は俺のこと分かってたみたいなんだけど。
(気付かなかったのはさーちゃんが変装とかしていたせいでもある。)
変装していた理由が、なんかの集まりのトップで会長とは敵対していたことらしいのだが、詳しくはあまり教えてもらえなかった。
登校前に寮内の学食で朝ごはんを共に過ごし、周りの視線が刺さる中登校。
(いきなり知らない生徒が歩いていたらビックリするよね。)
さーちゃん本来の姿はとある一件で全校生徒に知れ渡っている。まさか、あのモサモサした奴の中身が美少年だとみんな思うまい。そんな本人に「凄いね、みんなさーちゃんを見てるよ。」と言うと「他の誰よりも悠斗に俺を見てもらいたい。」なんてこっぱずかしいことを言うもんだからたまったもんじゃない。しかも運悪く会長が昇降口に立っていて、「おはよう篠原」と破壊力のある神々しいスマイルが待ち受けていた。会長の周りにいた子達がそれを見るや否や、鼻血を出して次々と倒れるもんだから驚いた。近くにいた子に「大丈夫?」と声をかけたところ「命に別状は御座いません。」と返ってきたので大丈夫なのだろう。
「なーに、悠斗に色目使ってやがるんだ?このカンチガイ野郎。」
「ふんっ、貴様こそ俺様に楯突くなんていい度胸だ。」
そして、なんと面倒な事に昨夜のデジャヴ。
なんかこの二人喧嘩するほど仲がいいみたいに息が合ってるよなぁ〜って思いながら、隙を見てこっそり見つからないように教室へと向かった。


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あきゅろす。
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