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第一章 11

慎吾さんと過ごして一ヶ月を過ぎようとしていた日曜日の朝、いつものように夜は抱かれ腰が痛く、早くに目が覚めた。慎吾さんより早く起きることはなかったことだが、今日は珍しく俺の隣で寝息を立てて寝ている。
起こさないようにそっとベットから離れて、部屋に備え付けてある脱衣所の洗面台で顔を洗う。
いつも不思議に思うのが、朝、脱衣所に入ると必ず新しい着替えが用意されている。まさにミステリー
脱衣所から出てじっと慎吾さんの寝顔を眺める。
起きている時とは違う雰囲気で少し面白い。

まだ起きない事を見計らい頭を撫でてると、突然撫でていた手首を掴まれ驚いてその場で固まる。そして恐る恐る慎吾さんの顔を見ると、此方を向いて何か企んでそうな笑みを浮かべていた。

「敦、お前ペットの分際で俺の頭撫でるたぁいい度胸してるな。」

手首を掴んだまま起き上がる慎吾さんから後ずさる。

「どうせするなら騎乗位にしろよ。」

そう言うと手際良く履いたいたズボンを剥がされ、慎吾さんの上に乗せられる。向こう側にあるお尻の中にローションと指で執拗に攻めたてられる。

「おい、敦。自分で入れろ。」

そう命じられて慎吾さんのモノをゆっくり穴の中へとゆっくりと押し入れていく。入った後は俺の腰を持った慎吾さんに激しく上下に動かされてしまい、俺は首にしがみついてただ耐えるしかなかった。
終わり頃には慎吾さんのモノを中に受け、其の処理を一部始終見届けられた。



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翌日の昼休み、慎吾さんは家の用事で俺一人学校へ向かい、慎吾さんの性欲の強さに悩んでいた。
一ヶ月経ってもなお性欲が尋常じゃないくらいあるってどうかと思う。いっそ、ヤる事を拒否するとか?いやいや、余計に激しくされるだけだ。

ため息をついて自分の机の上にベターっと顔を寝かせていると、「どうしたの?」と上から声がした。声のする方に顔を上げると孤峰先輩が立っていた。

「あ、おはようございます!」

立ち上がり頭を下げて挨拶する。

「おはよう。其処までしなくていいよ、普通に挨拶してくれたらいいから。」

「すいません。どうかされたんですか?」

「それは間中君の方じゃないかな。良かったらお昼一緒にしない?」

「はい。」

孤峰先輩に着いて行き、多くの生徒で賑わう食堂に着いた。

「敦君何食べたい?」

「あの、お構いなく。」

「そんなわけにはいかないよ。慎吾に頼まれちゃってるから。」

ね?と言われ、孤峰先輩と同じものを頼んでもらうことにした。先輩に二階席を招かれ座り、暫くして食事が届けられる。

「それで、間中君は何に悩んでいるの?」

「あの…それは」

言いづらそうにしている俺を見て「慎吾のこと?」と聞かれてしまい、隠すことが出来ず頷いて答える。

「毎日慎吾の性欲の強さには参ったって感じかな?」

鋭過ぎる先輩に驚きながら、再び頷く。

「やっぱりそうか。此間、間中君休んでたでしょ?その事を慎吾に聞いたら、『腰が砕けて動けねぇから』って言っていたからさ。」

し、慎吾さん本当に孤峰先輩とどんな会話してるんですかっ!
包み隠さない慎吾さんに赤面する。

「慎吾はね一度好きって思うと執着が凄すぎて、周りを困らせる事が多いんだよ。間中君の事もそう。周りの意見なんか聞かないで、連れ去っちゃうんだから。」

「ごめんね、あの時は。」と申し訳なさそうに謝る孤峰先輩に慌てて「大丈夫です。」と伝える。

「話を戻すけど、多分慎吾は間中君が自分から離れるのが怖くてそんな事するんだと思う。」

「そう、なんですかね?」

「けど、動けなくなるまではやり過ぎだと思ったから、今日は慎吾にお仕置きを受けてもらっているんだ。」

「えっ?」

今、孤峰先輩お仕置きって言った?

「今日一日中、慎吾居ないから安心して腰を休めてね。」

ニッコリと笑う孤峰先輩。
先輩のオーラが黒く見えるのは気のせいだろうか?

「ありがとうございます…」

少しばかり怖い孤峰先輩とお昼を過ごしていると、下の階が騒がしくなってきた。

「ふぅ、タイミングの悪いところにクズ生徒会共が来てしまいましたね。間中君、あの人たちが此方に来て話しかけられても応えなくて大丈夫ですからね。」

さらにブラックオーラを漂わす先輩に戸惑いながら素直にハイと頷こうとすると、それを聞いた会長が孤峰先輩に反論する。

「おい、孤峰。それは誰に対して言ってるんだ?」

「ふっ、誰って貴方に決まっているじゃないですか。生徒会長さ・ま。」

何だろう。慎吾さんの時より怖いと思うのは俺だけでしょうか?

「いい態度だな孤峰。貴様とは一度話をつけないとな。」

「慎吾に相手にされていない貴方と話すことなんて何も有りませんけれど。」

「はっ!賀来は俺様に勝てないから逃げたんだろ?」

「それはどうでしょうか?人の話をまともに聞かない俺様生徒会長の相手をするのが面倒になっただけでは?」

「つまり逃げたんだろ?人の話を聞かないのは貴様らの方だろう。」

「ここまで俺様だと、神室財閥の行く末が心配ですね。」

「貴様に神室財閥の心配をされなくても俺様が貴様らより凄いことを証明してやるよ。」

「そうですか、期待していますよ?神室 紳鬼様」

「精々首を洗って待っているがいい。」

自信満々に言い残した会長は他の生徒会の皆さんと奥の特別席へと向かって行った。

「食事中に不愉快なものを見せてしまってすいません。」

「い、いえっ。お疲れ様でした!」

「あの人とは幼稚舎からの腐れ縁でして、何かと慎吾と僕に突っかかって来るんです。間中君は慎吾と一緒に過ごしているので、絡まれないように十分注意して下さい。不愉快な気持ちになりますので。」

「は、はい。」

その後の孤峰先輩はさっきの事なんか何もなかったかのように、食事を楽しんでいました。




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