第一章 03 ペットのお悩み ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「はぁ…」 間中 敦、悩んでいることがあります。 それはーーー 「敦、来いっ。」 無理やり腕を引っ張る人物、賀来 慎吾による過度のスキンシップだ。 朝夜に飽き足らず、学校内までおっぱじめようとしたり、一目気にせずセクハラしてきたり… そのおかげで彼奴のファンクラブに陰湿な虐めに合っている。上履きがなくなっていたり、空から突然水が流れてきたり、後ろから押されて転けたり…言い出すとキリが無い。 「お前、今日もびしょ濡れだけど。その格好は俺を誘ってんのか?」 こいつもこいつでこんな状態の俺を見ても、エロ思考に変換しやがる。全く何でこいつが好かれるのかが理解に苦しむ。 「ち、ちがっ、ってか、着替えるのでコッチ来ないでください!」 「んなこと言うなって、ただ着替えるの手伝おうとしてるだけだろ?」 そう言って俺から着替えの服をもぎ取ると、濡れている制服を全て脱がし、裸にされる。 「いつ見ても綺麗な肌してるよなぁ…腰つきとかエロいし。誘ってるとしか思えねぇ…」 なんであんたはそんなことしか言えないんだよ! って言うか早く着替えを返せってんだ、この変態野郎めっ!! 「敦、シたい。」 「や、ですっ!」 「シたい。食べたい。泣かせたい。」 何言ってんだ己はぁぁ! 嫌っつってんのがわからんのか。 「し、慎吾さん…離して、下さい。」 「キスしてくれたら考える。」 とか言いながら、顔近づけんな変態! 今日、何回したと思ってんだこの野郎。 朝5回、登校中7回、校内10回…… これ合わせて校内11回めになるんですけどっ! トータルすると、22回もしてることになるんですが。し過ぎて唇いたいわっ! 「あ、あの…その、キ、キスはちょっと…」 23回目になるのは勘弁してください。 「じゃあ、俺からする。」 何故そうなる!? もう、22回したんだからいいんじゃね? 「敦、右上の壁を見てみろ?隠しカメラあるだろ。あのカメラで俺のファンクラブは俺を観ている。」 言われた所に視線を向けて見る。 わかりにくいが、カメラらしきものが微かに見える。 「お前を虐めている奴らに見せびらかしてヤるぞ。 」 「え、ちょ、慎吾さんっ?!」 「ついでにドアの向こうで聞き耳立てている奴らにもな。」 悪い笑みを浮かべながら俺を激しく抱いた。 ≪backnext≫ |