[携帯モード] [URL送信]
親衛隊隊長の苦難05




一難去ったらまた一難。このことわざ通り、またやってきた。


「矢那、お昼の時間まで少し休んでいてください。私はやるべきことをすませますの……で。」


わぁー目がバッチリあっちゃったよー
なにこれデジャヴ?


「なんで親衛隊がこんな所にいるのですか?」


どっか行けと言わんばかりの目で、此方を睨んでいる。


「聖、訳あって一週間俺の世話をすることになった。」



「高梨 千裕デス。一週間、よろしくお願いします。」


「そうですか。一つ忠告しときますが、矢那に手を出したら許しませんから。」


会長といい、こいつといい………
誰がそこにいるモッサリに手をだすかよっ!
女ならまだしも、男ってどやさ。


「や、やめろよっ!聖。俺、酒藁 矢那。よろしくなっ!」

君、見た目と発言のギャップ激しいって言われなかった?と言うか、それ、ヅラですよね?頭の上に被せただけって感がめっちゃくちゃ出てる。
真智が言うなら"王道ですねwww"だろうな。


「お前の名前は何ていうんだ?」


「高梨 千裕デス。」


「千裕っていうのかっ!仲良くしような!」


イヤナンデスケド。


「矢那、仲良くする必要はありませんよ。さ、矢那は私のそばで休んでいてください。」


「おい、聖。矢那は俺様のそばに座らせる。」


「えー、やなやなは僕の隣がいいでしょ?」


「お、れの……とな、り…」


だぁーもーうるさいなぁ!誰の隣でもいいじゃん。つか、まじで仕事しろ!


「皆さんそういう争いは自分の仕事を終えてからにしてください。」


「親衛隊の分際でウルサイですよ。」


「そう仰るんでしたら、今後の彼の身に何が起きるかわかりませんよ?………副会長さ ま。」


会長、会計、書記、後は副会長であってるよね?なんて言うか、副会長口悪い。この人の親衛隊になってる子どこが良かったのか聞きたいな。


「くっ、仕事をやればいいのでしょう。」


「はい。仕事を早く終えた方には………えと、酒藁君を ひ と り じ め できますよー。」


この言葉に生徒会全員ピクッと反応する。そのまま無言で自分の仕事をマッハで片付けて行く。
ああ、なんて馬鹿な奴らなんだろう。


俺も残りの仕事を仕上げようと作業にかかるが、目の前に座るモッサリ君によって妨害される。


「なぁ、千裕っ!何で親衛隊なんかやってるんだ?」

「何ででしょう。」

「千裕って、大雅のこと好きなのか?」


ってか、大雅って誰だ?会計の名前が吉良 悟、書記がみたか はじめ、副会長が……何とか聖。とすると、ああ、会長の事か。


「さぁ、どうでしょう。」


「千裕って、美味しそう……」


「…………はい?」


いきなりわけわからない事言い出したよ、モッサリ君。


「千裕って抱いたら可愛いだろうなって!」


「「「「「………ぶほっ!?」」」」」


何を言いやがるんだこのモッサリはっ!!!
ほら、マッハで仕事していた生徒会全員ビックリしてコッチ見てるじゃないか。


「あの、酒藁く……「矢那」酒わ…「矢那」さか…「矢那」………」

し、しつけぇぇぇぇぇ!
呼び方とかどうでもいーだろっ!


「千裕には矢那って呼んで欲しい。」


イヤナンデスケド。
そう言って生徒会全員オトしたんですね。
だがしかし、俺はその手には乗らない。


「名前呼びは恥ずかしいので、酒藁君とお呼びします。」


「やだ、矢那が良い!」


くっ、やりたくはないがアレをやるか……


「………さ、酒藁君じゃ….ダメ、ですか?」
頬を赤く染めてそっぽを向いてみる。


ああ、ダメだダメだ!自分がやると気持ち悪い。


「………い、いよ。」
そう言って赤い顔して俯くモッサリ君。
なんか、コレって真智で言う"腐ラグ"ってやつですか?


「けど、そのうち矢那って呼べよ。」

「努力します。」
まぁ、呼びませんけどね。


「よし、終わった!矢那、俺様の所へ来い。」

「やだ、千裕といるっ!」


残念ながらコッチは願い下げだ。


「酒藁君、約束なので。」



「千裕が言うなら仕方が無いや…」


トボトボと会長の元へ歩み寄るモッサリ君。


「じゃ、僕はちー君の隣っ!」


「受け付けておりませんので、お帰りください。」


「えぇー、冷たいなぁ」


「良いんですか?酒藁君を会長が独占状態のままで。」


「んー仕方ないなぁ。ちー君とはまた今度♪」


なーにが"また今度♪"だよ。一生近寄るな。






≪backnext≫

5/28ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!