親衛隊隊長の苦難04
作業すること30分、ふと隣からものすごい視線を感じた為、チラリ見ると無言で此方を見ている図体のデカイ人物がいた。
「……っ!? えと、どちら様でしょうか?」
「書記……の、み、たか…はじ、め。」
お前はロボットかっ!と言いたくなるようなスローでロボットな喋り方。
んっ?今、書記って言ってたような…
「な、まえ……なに?」
俺の事を言っているんだろうか?
「生徒会長親衛隊隊長を務めます、高梨 千裕です。」
「い、がい…」
目を少し見開いて言うロボット書記さん。何が意外なんだろうか?
「かいちょ……の、しんえ…たい」
ああ、会長の親衛隊に入っているってことかな?まぁ、俺も好きでなったわけじゃないし。言われても仕方がないかもしれない。
「そんなに意外ですか?」
と聞くとコクンと頷く。
「しんえ…たい、なのに、かいちょ……に、こび、ない。なで?」
だって、別に好きじゃないし。
何でっていわれても、返答に困るなぁ。
「え、と、俺はあんまりそういうの好きではないので。」
「じゃ、なで、しんえ…たい、入った?」
そこ聞いちゃう?"真智に誘われてなんとなく"とは言えまい。ここは、それっぽい理由を述べて分かって貰おう。
懐かしげな雰囲気を出して……
「そうですね……隊員のみんなと会長が仲良くなってくれたらなって…」
えへへと言って笑って誤魔化してみた。
「そっ、か」
どうやら上手く行ったようだ。
「ちひ、ろは…えらい、ね」
ポンと頭を撫でられる。
え?何故に頭撫でられてるの?
「あー、みーちゃんずるぅい!僕もちー君
触りたい!」
誰が触らせるかっ!
「あの、離してください。そして、仕事してください。」
それからこれ以上、俺に構うな触れるな近寄るな。
「これから一週間、俺は会長のお世話をすることになっています。なので、会長の仕事に支障をもたらすことはしないでください。」
良いですかっ!と二人に言うと素直に自分のデスクで仕事をしだした。
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