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4年目の冬。









「好きです、付き合ってください!」

中学に入ってから何回めだろう。学年問わず、女子は俺を見るなりそう告げる。
周りの男子からは可愛いと評判の子。誰もが告白されたら嬉しいだろう。けれど、俺は嬉しいとは思えない。

「ゴメンナサイ。」
と、たった一言告げて彼女の前からとおりすぎる。
暫くして彼女の泣き声が聞こえたが、悪いとも思わない。
ダッテ、オレハアイツガイナイトダメナンダ。


教室に戻るとクラスメイトの男子共にドツかれた。
仕方ないことだ。可愛いと言っていた子が俺にフられて泣いているんだから。


「さいじょー!!何、橘なかしてんだよ!」

「橘の何がいけないんだっ!」
みんな勝手がってに文句を突き付ける。
だって、キョーミないんだもん。


「そんなことしてていいの?優しい誰かさんに慰められたら橘も俺よりソイツがよくなるんじゃない?」
そう言うとクラスメイトの男子共は一斉に教室を飛び出し、彼女の元へ駆けつけて行った。
去って行った男子のウルサイ声がなくなったと思えば、次は女子のヒソヒソ声が響き渡る。


「西条サイテー」
「あの子自分が可愛いからって、自惚れてたんじゃない?ザマーみろって感じ。」


はぁと溜息をつく。
ホント、ウルサイ。
学校なんて楽しくない。
学校いくより、柔道していた方がマシ。



机にふてくされていると、ポンっと頭を叩かれた。


「誠、言葉選んで断りなさいよ。」
幼馴染でアイツの親友の新居坂 優。数少ない心許せる人物。


「他に言うこと思いつかないんだよ。」
そう言うと、また、叩かれた。

「ったく、何度言わせるの?最後に"ありがとう"とか"うれしかったよ"とかあるでしょ!」
ありがとうったって、別に告白されて感謝なんかしてないし。こっちの都合の考えないアッチが悪いんだし。ハッキリいって迷惑……

ぎゅうううううう〜

俺の思ったことがわかったのか、おもいっきり右頬をつねられる。

「ちゃんと言うのよ〜っっっ!」
痛い、マジで痛い!肉が避けるんじゃないかっていうぐらい痛い。

「っっわかった!言います、言いますので許してください。」
「ならば良し。」

右頬は解放されたが、つねられていたところがまだ痛い。



「しかし、罰として今日から師範に練習倍にして貰うから」
「はぁ?」
冗談じゃない。ただでさえ今でもヘトヘトでこなしてる練習を更にキツくって……
ってか、何だよ罰って!

「今までフってきた子の悲しませたことへの罰。」
流石、幼馴染。俺のことをわかってらっしゃる。


「わかった?そして、今度から気をつけること!」
「わかったよ。気をつけます!」
「そして、放課後謝りに行くこと!」
「またかよっ」
「文句言わないのっ!」
また、右頬をつねられる。

「わかりました、謝りに行きます!」
「よろしい。じゃ、放課後ちゃんと行くのよ!」

人差し指をピッと立てながら、自分の席に戻って行った。
ああ、面倒くさいことになったな。
でも、謝りに行かなければまた、優にあーだこーだと文句を言われる。
また溜息をつき、チャイムと同時に始まる授業を受けた。











ー放課後
「あの、橘さん……」
言われた通り、彼女を探して謝りに来た。

「え、と、さっきは冷たい態度とってごめん。」
「う、ううん、私こそごめんなさい。いきなり変なこと言い出して……」
彼女は泣き出しそうなのを堪えて言うが、堪えきれなかったのか泣いてしまう。
はぁと溜息をついて、ポケットからハンカチを取り出し彼女に差し出す。

「あ、りがとう。」
「じゃ、俺、練習あるから。」
彼女を背にして歩く。
あーあ、練習完全に遅刻。
師範に何言われるかわかんないし、道場行くのやだなぁ。
アイツがいたら違ったんだろうな。


はぁと溜息。



帰ってくるって行ってたのに。
アイツがいなくなってから4年目の冬。
寒空の下、空を見上げアイツを思う。









なぁ、いつまで待ってたらいいんだよ。椿ーーー















あとがきーーー

4年たってもわすれられない感情を書きました。忘れようとしてもその子以外に好きな感情は芽生えず、どうしようもないって感じ。

つまり、初恋の人って忘れられないってことです。
読んで下さって有難う御座いました!


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あきゅろす。
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