ビフ赤短編集 にゃんにゃん※※ 唐突だが、 食霊全員に猫耳と尻尾が生えた。全くもって何が起こったのかよく分かっていないが、朝起きたらこうなっていたのである。斯く言う俺様も髪色と同じ色をしたピコピコと動く三角の耳と、ゆらりゆらり揺れる尻尾が生えていた。 「ごめん!!!霊力の調整が上手くいかなくて…。」 原因は御侍が前日に強化のために色々弄っていたら不具合(バグ)を起こしたらしい。 「明日には戻ってるから、ほんとごめん!!」 頭を下げて謝る姿に一同は一日だけならと、この異常事態を楽しむことに決めた。 「それで、この状態を説明してもらおうか?」 口の端が引き攣っているのを感じながら、目の前の獣と相対する。 恋人の関係であり、何度も体を重ねたことのあるやつだからこうなる事は考えなかったわけではない。だが、明らかに発情してるやつの相手はしたくない。 「私とてこれは不本意極まりない。」 苦々しげに吐き出すビーフステーキだが、その割に俺様の体をベッドに突き飛ばして、倒れ込んだところに覆いかぶさって両腕を縫い付けてることを説明しろと言っているんだ。 「俺様は嫌だぞ。」 「そうは言うが尻尾が揺れてるぞ。」 「んなっ!?」 期待に揺れ、ビーフステーキの体に擦り寄る尻尾までは嘘を吐いてはくれない。 「少なからず興奮はしてるんだろう?」 ゆるく勃ち上がったものを服の上から触られ、鼻から声が漏れた。 「服を脱がそうか?」 「自分で脱ぐ!!」 何故、こんなことに…。溜息が零れるのは仕方ないだろう。今日は特に何もなく過ごせると思って、どうせならと秘蔵の酒を飲むつもりであったのに。楽しみを奪われたような気がして機嫌は急降下していく。カチャカチャとベルトを外す音、ズボンが、服が、重力に従いするりと落ちる布擦れの音、荒いあいつの息遣い、身体の芯がずくりと疼いた。 背を向けていたせいか急に後ろから顎を掴まれ、顔だけあいつの方に向けられ唇に噛み付かれた。首が痛い。眉間に皺を寄せ睨むと、欲を孕んだ視線と絡み合った。キス、なんて甘っちょろいものじゃない、貪り、貪られ、官能なんて二の次で相手を征服しようという激しい舌の動きに、負けないと言わんばかりに噛み付く。 「下手くそめ。」 唇を離され、ぽてりと美味しそうに腫れ、真っ赤に染まっているその艶やかさにくらりときたビーフステーキは、挑発げにゆるりと目を細める赤ワインに言い知れぬ欲情の色を見せた。 べろり、と赤ワインのツンと上を向く胸の尖りをザラザラの猫舌で舐める。その刺激に声を殺すのがいじらしく、口に咥えてコリコリと舌の上で転がす。もう片方も痛いぐらいの力で抓り、押し潰し、爪を立てる。 「ねちっ、こい…っ!んぁ"っ!!」 「好きだろ?」 「誰がっ、ぁ…ッ!」 蜜を垂らししとどに濡れるそれを握ると大袈裟に身体が跳ねた。 「や、め…っ、ああっ…!」 いつもより感度が上がっているのか、腰をくねらせ善がる。ゆらゆらと動く尻尾が時折ぴくぴくと痙攣するのを見た。 「淫乱。」 耳元で囁くように吹き込むとびくんと一度大きく腰が跳ね、ビュクッと精液を吐き出したのが手にかかった。 「はぁー…ッ、はぁ…ッ、」 胸を上下させる赤ワインは驚いた顔で呆然と自分が吐き出したものを見ていた。 「赤ワイン…。」 もう一度、耳元で囁くと赤ワインの体の痙攣が酷くなる。 「ほう。」 耳が弱点とは知らなかったな。 「貴様…、失礼なことを考えてるだろう…。」 「いや?可愛いと思っただけだ。」 「か、かわっ?!?!」 耳まで真っ赤にする赤ワインを見下ろしながら、耳をべろりと舐める。 「ひゃうっ?!」 「…貴様、ひゃう、とは何だ。ひゃう、とは。」 「くっ、忘れろ…っ!!」 ぐるる、と喉を鳴らして威嚇する姿は本物の猫のようだな、とビーフステーキは密かに感心していた。 耳たぶを甘噛みし、穴に舌を突っ込みぐりぐりと動かすとひっきりなしに甘い声を漏らす。唾液を垂らしずちゅずちゅと水音を立てて犯すと、いきなり腹を膝蹴りされてあまりの痛みに悶絶する。 「はぁーッ、はぁ…ッ、きさまっ、いい加減に…!」 ちらりと視線だけ赤ワインに移すと、顔は真っ赤に染まり、目尻からは涙を、口の端からは唾液をとめどなく溢れさせ、びくびくと痙攣を繰り返す身体は淡くピンクに染まり、腹の上は赤ワインが吐き出した白濁で汚れていた。ゴクリと喉が鳴る。揺らめいていた尻尾は丸まり、猫耳はへたりと折り畳んでいる。 「赤ワイン…っ。」 「寄るな!ケダモノ!!」 口ではそう言いつつ、その目の奥ではゆらゆらと欲情の炎が灯っている。 蹴ってきた足を捕まえ開き、濡れそぼった秘孔に用意していたローションを半分くらいぶちまける。 「つめたっ…、」 ひやりとしたローションにぶるりと身体を震わせるが、火照った身体によって直ぐに温まる。 まずは一本、中指をゆっくりと埋め込む。きゅうきゅうと締め付ける胎内は毎日拡げているからか良い感じに解れていた。直様二本目を入れ拡げるように指を広げると外気に触れるのか赤ワインが嫌々と首を振る。三本目を余裕で受け入れ、ぐちゅぐちゅと掻き回す。 「あ"あああッ!?」 しこりに触れ、赤ワインが出さずにイく。 「ここか。」 ゴリゴリと遠慮なく指の腹で押すとぎゅうぎゅう締め付ける胎内に満足して、いい事を思いついたビーフステーキは赤ワインの尻尾を掴む。 「ま、…!んあ"ッ、あっ、やだっ、ああっ…!」 ぐずぐず解れた蜜壷に尻尾をゆっくり押し込んでいく。ぶわっと毛が逆立つ尻尾が面白い。全て入れると、涎を垂らしながら軽くドライでイったのか出し損ねたペニスが泣きじゃくっていた。ずりずり尻尾を引きずり出し、ずん、と奥まで突っ込む。 「ひっん、イって…っ、イってるから"、あ"あっ!」 尻尾でも快感を拾ってしまうのだろう、頭を振り乱すから髪留めが外れ、元々女のような顔をしているのに更に女のような姿で艶めかしく腰をくねらせる。 「赤ワイン、悪い…っ。」 尻尾を勢いよく抜き、その刺激でどぴゅと吐精を果たした赤ワインは惚けた顔で宙を見つめている。ヒクヒクと口を開けるそこにはち切れんばかりの己の怒張を押し当てると、我に返った赤ワインが止めようと手を伸ばすが、残念なことにビーフステーキの首に回ることになった。 ぐちゅん、とローションと腸液によって淫靡な音を立てる。猫の性器は棘があり、それが腸壁をゴリゴリ抉り凄まじいオーガズムを生み出した。 「ああ…っ!も、やら、あ"ッ、…!」 常に絶頂を迎えているような感覚に赤ワインは啼き叫んだ。このままだと孕んでしまうのではないか、正常に働かなくなった頭は有り得ない答えを導き出す。 「赤ワイン、ッ、イっ…く…ッ!ぐっ…!」 胎内で膨らんだものが破裂した。熱いものが壁に打ち付けられ、その刺激でまた出さずに絶頂を迎える。 「や…ッ、孕む…っ!孕んじゃっ…!」 ぐずり出す赤ワインに、ビーフステーキは足を更に開きその間に身体を入れる。深くなった結合に啼き声は更に大きくなる。 「赤ちゃっ、出来ちゃう…っ、」 頭を振る赤ワインを宥める余裕もなく、ただ腰を打ち付けた。 「最悪だ…。」 「毎回そう言われると流石に傷つくぞ。」 セックスを終え甘いピロートークへと変わることはない。ただ性欲を発散させるだけのこれはある種のスポーツではないかとビーフステーキは度々思う。 「……俺様が言ったことは全て忘れろ。」 背を向ける赤ワインはボソッと可愛げのないお願いをする。 「何だったか…、"孕む"、"赤ちゃんが出来る"だったか?」 「だから!!それを忘れろと言うんだ脳筋め!!」 「私の下で猫のように可愛く鳴いてたのはどこのどいつだ?」 「それ以上言うようなら叩き斬るぞ…。」 「そんな腰で動けるとも思えないがな。」 「貴様…っ!!」 口喧嘩は激しさを増すが、尻尾はゆるりゆるりと絡み合う。お互いを確かめるように、ゆるりゆるりと絡み合う。 [*前へ][次へ#] |