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ビフ赤短編集
ちぐはぐなその姿に※※
「は?」
赤ワインは困惑した。目の前の女は苛苛とした様子で酒を煽っている。
「ジンジャーブレッド、こいつは誰だ?」
「ビーフステーキだな。」
赤い短髪で下品にも腹を出した服装のこの女が?確かに服装は同じと言わざるを得ないのだが、やけに強調された胸元に目がいく。
「御侍は何と言っていた?」
「原因不明、情報集めをしているらしい。」
ぶすっとしているのはやはりビーフステーキのその胸の大きさだろうか。先程からチラチラと見ては舌打ちを零している。
「じゃあ、いつ戻るかも分からないのか。」
俺様のその呟きにダン、と大きな音が聞こえる。どうやらビーフステーキがジョッキを机に叩きつけたようだ。
「…この姿のせいで私は戦闘から外された。」
「そりゃ、足でまといになるからだろう。女になって力が半減してたら役立たずと言われても仕方ないな。」
「力が半減している…?私のか?」
「今の貴様は女だろう?」
はっ、と鼻で笑うとビーフステーキの顔からどんどん表情がなくなっていく。そそくさとその場から離れるジンジャーブレッド。
「やるか?」
「いいだろう…。その代わり私に負けたら言うことを聞け。」
「俺様が負けるわけがないだろう?」
ああ、いつものか…とジンジャーブレッドは溜息を吐きながら離れた場所で見守る。
「ん…?そういや、この前の勝負で勝ったのは赤ワインだったような…?」
剣での戦いは御侍に怒られるからだろう、最近は専ら腕相撲で勝負をしている。
机に叩きつけるにしては痛々しい轟音が聞こえてきた。ジンジャーブレッドはやっぱりか、と声を漏らした。宙に腕を突き上げているのはビーフステーキで、悔しげに机を叩くのは赤ワインだった。
「赤ワイン、約束は守って貰うぞ。」
晴れやかな顔で、しかし明らかに怒りをその目に宿し、赤ワインは死を覚悟した。


場所はベッドの上に移った。
全裸に剥かれた赤ワインと、一糸乱れぬ姿のビーフステーキは舌を絡ませる深いキスに興じていた。赤ワインは先程から当たっているたわわな膨らみが気になり、漫ろになる舌の動きを叱咤するようにビーフステーキは更に激しく舌を絡め、上顎を擦り、歯列をなぞる。舌の裏側をざり、と擦られ赤ワインは鼻に抜けた甘い声を上げる。
「んっふ…、っ、ぷあっ、ぁっ、はーッ、は、ぁ…。」
解放され、身体が前に倒れ込む。そうすると当然顔が豊満な胸に近づくわけで、柔らかい匂いと恐らくこの身体になる前に戦闘に出てたのだろう血の匂いが混じりあっていた。はぁ、と熱い息を漏らし、ちらりとビーフステーキを見上げる。
「貴様の…願いはなんだ …。」
「そうだな…。これの処理を願いたい。」
そう言ってビーフステーキは徐にズボンをずり下げた。
「は……?貴様…、それは冗談か…?」
「残念だが、冗談でもなんでもない。」
下着を押し上げるのはどこからどう見ても女体にはついていないものだ。
「ふたなり、ってやつらしい。」
そこで漸く自分に迫る危機を悟った。
「ま、待て!!」
「待て…?言うことを聞くと言ったのは貴様だぞ?男なら潔く腹を括れ。」
ビーフステーキは俺様の唇を中指でなぞり、こじ開ける動きに変えるので大人しく指を迎え入れた。
「よく舐めないと痛いのは貴様だからな。」
いつもより高めの声で、しかし股間についたそれは普段と何ら変わりない大きさだった。ビーフステーキの指を深く咥え込み、又まで丁寧に舐めしゃぶる。喉の奥まで嘔吐きながらも迎え入れ、きゅうきゅうと締め付けながらビーフステーキの指を舐める。どうして、俺様が…、悪態をつけど身体の奥は疼いていた。
「そう、物欲しそうな顔をするな…。」
口から引き抜かれた指はつぅと糸を引く。熱い息を吐き、ビーフステーキは赤ワインの唇を強引に奪った。酸素を食い潰すように蹂躙する肉厚な舌に赤ワインは翻弄され、段々と酸欠になっていく頭と滲む視界に、しかし突然の痛みに意識は戻ってくる。
「ん"ンッ!」
「っは、力を抜け。」
女の指だと思った。何時もならば全く余裕がなくギチギチと締め付けていたのが、今はどうだ、異物感を感じながらも徐々に痛みは引いていく。最初に痛みを感じたのは恐らく驚いて力が入ったからだろう。
「はむっ、…んっ…んんぅ…ッ、」
キスによる快感で力が抜けているのか、ローションを追加されたと思えば、ビーフステーキの指が気づけば三本に増えていた。
「そろそろ、いいか…?」
「はぁ…っ、…ん。こい…馬鹿牛…。」
「貴様は…っ!!」
「あ"アッ!ふ、かぁ…っ、」
ごちゅんと奥まで一気に挿入され、ビーフステーキの豊満な胸が大きく揺れた。倒錯的な光景に視界が眩んだ。
「いつもより締め付けてるぞ。女に犯されるのがそんなにいいか?」
「だま、れ!!ん"んぅッ、あ"っ、そこっ、ゴリゴリしちゃ、っ…!」
「好きだろ、前立腺。」
ビーフステーキは執拗に前立腺目掛けて腰を打ち付ける。呻きに近い嬌声を聞いて更に胎内で膨張する肉棒が信じられない。
そもそも女に組み敷かれているこの状況が夢ではないのか?
赤ワインはこれを悪い夢だと思い始めた。ビーフステーキはそもそも男だ、女であるはずがない。女に生えるはずのない男性器も不可解だ。
「あ"あアアッ!!」
どぴゅ、びゅるる、勢いよく精を吐き出し、オーガニズムを迎えた身体は痙攣する。胎内のうねりに危うくイきかけたビーフステーキは赤ワインの違和感に気づく。
「おい、しっかりしろ。」
「あっ…、うご、くな…んんッ…!」
飛びかけている。いつも以上に感じているのだ。腰を引き、肉棒をずるずる引き抜こうとすると、赤ワインの胎内がそれを押し留めるようにぎゅうぎゅうと締め付ける。ギリギリまで引き抜いた頃には、ビーフステーキの額に玉のような汗が滲んでいた。深く、深く深呼吸をし、赤ワインの足を開き、体を二つに折るように顔の横に押さえつけ、最奥まで一気に突き入れた。結腸の入口を強引にこじ開けると、赤ワインは背を弓なりに反らせる。
「あ"ぐッぅ"ッ…、ぐ、るし…ッ!」
赤ワインのそれは2度目の吐精を果たしたのか、先がぴくぴくと痙攣を起こし、腹の上に白濁とした水溜まりを作っていた。
噛みちぎられるんじゃないかと思うほどに胎内はビーフステーキの怒張を締め付け、まだ出すわけにはいかないと己を窘める。
「赤ワインッ、息を吐け…っ。」
「む、り…ィ、あ"ッ、く、る…ッ!ゃ、ぁ"あ"あアアッ!!」
変に奥を開いたせいか少し身動ぐだけで、赤ワインの胎内は痙攣を起こし、それが胎内にいるビーフステーキの怒張を刺激し続ける。拷問に近いそれに眉を下げるしかなく、赤ワインを落ち着かせようと抱き締めるが、更に奥に入り込んだのか痙攣が酷くなるだけだった。
「ぬ、けっ!はや、く、ぅッ…!!あッ、や、っ、イく…っ!」
「すまないッ、私も、もう…っ!」
抜くという選択肢はなく、気持ちよさに勝手に腰が動く。段々とスラストが早くなり、腰を真上から打ち付ける体勢に変え、更に奥を開く。ローションと腸液がぐちゅんぐちゅんと淫靡な音を立て、秘孔から泡立ったものが溢れる。声を無くした赤ワインが絶頂を迎え、その時の締め付けに最奥で果てた。ぐ、ぐ、と子種を一滴残らず子宮口に注ぎ入れる為に腰を緩く打ち付ける。ビクンビクンと陸に打ち上げられた魚のように跳ねる赤ワインの身体を体重をかけ押さえつける。全部出し切ったビーフステーキはぶるりと身体を震わせ、過呼吸気味に喘ぐ赤ワインの頬をぺちぺちと軽く叩くが、反応が特にない。
「これはやり過ぎたか…。」
埋め込んでいたものをゆっくりと抜き去ると、栓を失った穴から大量の精液がごぽりと溢れ、淫らな光景に視線は釘付けになり、治まったはずのそれが首を擡げる。
「済まない、赤ワイン…。」
ヒクヒクと誘うように口を開けているそこに起立した己の怒張を、狙いを合わせてゆっくりと押し込んでいくと、押し出そうとした動きから招き入れるような動きに変わる。
「淫乱め…。」
ビーフステーキがボソリと吐き出した言葉に返事はなく、代わりに悦びに打ち震える嬌声が返ってきた。


「……ビーフステーキ、覚悟はいいか?」
「いや、お前だって楽しんで…っ!」
「ほお?途中から記憶がなくてな??何を言っているのか全くもって分からないな??」
日を跨いだことによって男へと戻ったビーフステーキは、翌日になり何故か記憶よりも多い量の子種を注がれて困惑しながらも処理に追われた赤ワインの怒りを買っていた。
今日もまたレストランには二人の怒声が響いた。

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