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たった一言
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「…コナツの…恋人のことさえ守れなくて、アヤナミ様や国が守れると思うの!?」


勤務時間中だからか、人通りの無い廊下で叫ばれたクロユリの言葉。
バッと上げられた顔…大きな瞳が、涙で濡れていて。
……ようやく、気付いた。


「────コナツ!」


クロユリの横をすり抜け、ノックもせずに扉を勢いよく開ける。
轟音と共にクロユリの耐えきれなくなった嗚咽が聞こえたが、気にしてなどいられない。
コナツに…何があったのか、一刻も早く確かめなければ。





中に踏み込んだ瞬間、室内にいた人の気配が大きく動いた。
人数は2人。
どちらもよく知っている。


「…ヒュウガ、少佐……」


最初に声を上げたのは、ハルセだった。
手には小さな器を持っていて、顔は困惑に彩られている。
そんな彼の向かい側にいるのは…一見普通な……いつも通りの、コナツ。


「…コナツ……、」

「……っ!あ…いやあぁっ!!」


けれど、僕が少し近付いた瞬間…コナツは琥珀色の瞳を見開き、絶叫。
そして…僕よりも近くにいたハルセに抱き着いた。
…『ヒュウガ少佐』と叫びながら。


「え…、どういうこと?」


『ヒュウガ』は僕の名前だ。
…そもそも、ハルセは少佐じゃないし。


「コナツさん…、落ち着いてください。私はハルセです。ヒュウガ少佐は、あちらに……」

「嫌…嫌……!助けて、ヒュウガ少佐ぁっ!!」

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あきゅろす。
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