たった一言 6 「……当然。だって僕は、その言葉を待ってたんだよ?コナツを取り戻すためなら、僕は何度だって……」 「少佐……っ」 伸ばされた手に思わずすがってしまう私は、やはり弱いのだろう。 弱いからこそ、私には少佐が必要なのだ。 他の誰でもない…、ヒュウガ少佐が。 私を力強く抱き寄せる少佐の腕は、とても心地いい。 あの嫌な感覚を、すべて消し去ってくれる。 「コナツ…ゆっくりだよ。ゆっくりで、いいから……体調を整えて、また一緒に仕事をしよう。僕の傍で、一緒に」 「はい。私は…もっと、強くなります。戦場でだって、傍にいられるように。私はもう、少佐から離れないし……、」 「「──離さない」」 重なる声と、視線。 そして、微かな笑い声。 これからも共に歩むことを誓った、私に…私と少佐に、必要なのは。 たった一言。 [*前へ][次へ#] [戻る] |