たった一言 2 その感覚を愛しく思いながら口を開くも、くぐもった少佐の声に遮られた。 人の話を聞かないのはいつも通りだが、人の話に耳を貸さないのは…珍しい、気がする。 「…何のことか、分かりません」 だからこそ私は、気付かないフリをした。 こんな少佐は見たことがないし…、見たくないから。 私のために…そんな顔、しないでください。 「そんな…わけ、ないでしょ!コナツは、無理矢理…っ」 「けど、来てくれました。遅くなっても…、来てくれた。少佐は私を助けてくれた!…だから、謝罪されるような覚えはない。何のことか、分からない。…でも、もう終わりですね」 悲しいけれど。 苦しいけれど。 私の体は汚されてしまった。 少佐ではない誰かに、触れられてしまった。 身体の内に男根を加えて…、私は。 ──ヨロコンデいたのかも、しれない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |