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外へ


明かりが欲しい。もしくは何かしらの熱源が。

覚束ない足取りで進むヒソカは切実に思った。

ある程度歩いた気はするのだけれど、相変わらず周りの景色に変化は無く真っ暗だ。
多少なりとも先程よりは目は慣れたがそれでもまだ不十分だった。


「…誰かー」


助けてーと呟いた言葉は洞窟内に響きながらもそのまま闇に溶けていく。


どうしてこんな事になったのだろうか。
これなら森の中で倒れていたままの方がよかったかもしれない。
夜の寒さを凌ごうにも、この洞窟内で寝てしまえば逆に死に関わりかねない。


何度目か吐き出した溜め息が白くなり、不意に揺らめいた。

ぱちぱちと目をしばたかせ、しばし目の前の空間と更にこの暗闇の先とを見比べる。
はぁ…ともう一度息を吐き出すと再びそれは揺らめいた。

――風が吹いてる

その事実に気付いたヒソカはゆっくりだった足取りのスピードを速めた。

出口が近いのかもしれない。

そう思えば思う程進む足には力が入る。
最終的に出口であろう月明かりを確認した時は駆け足になっていた程だった。


「よ…かった…出口だ…」


上下する胸を撫で下ろしながらホッと息を吐く。

身体を動かした事により僅かながらも体温も上がり、乱れた息を落ち着かせつつ付近の手頃な岩に腰掛けた。


月明かりに照らされ人気の無い森。

辺りは夜風に揺られさざめく草木の音と夜行性の鳥の鳴き声とが夜のしじまを彩っていた。






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あきゅろす。
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