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取り扱い方

◆◇◆◇◆



「ご、ごめん壊閻!私うっかり話に夢中になっちゃって…っ」


晴に「で、この人誰?」という質問をされるまですっかり放置してしまっていた。


「…べつに気にしてない」


…なんて、そんな不機嫌オーラをビシバシ放ちながら言われても説得力は皆無。
そっぽを向いた顔は明らかに不機嫌そのものである。

眉間に深い皺を刻み、半眼で窓の外の景色を睨む壊閻に季紗人は頭を悩ませる。

だからといってどうすれば機嫌が直るかなんて出会ったばかりの自分にはわからないし…

そう思った瞬間、ふと脳裏にフラッシュバックした壊閻の今朝の姿。


「あ…あのさ、二人共…プリン、食べる?」

「「食べる!」」


試しにと、コンビニで買って来た巨大プリンを示すと綺麗にハモった返事。

晴はプリンが大好物。
そして壊閻も朝の様子からすると甘い物が好きなようらしかった。

声が重なった事に不満げにお互いを睨んでいる二人にそれを差し出せば、コロリと笑顔になったから間違いないだろう。

なるほど、壊閻の扱い方がわかったかもしれない。

作戦成功だ。














「改めて紹介するわね。彼女は私の友人、橘 晴。バイクで事故って今は入院中なの」


プリンの後…と、順番はおかしくなってしまったが、壊閻に向けて紹介すれば晴は一言素っ気なく「どうも」とだけ言った。

こう見えて人見知りの激しい晴に、相変わらずだなぁと季紗人は苦笑する。
こういう点は出会った頃から変わっていない。
例え相手が超絶美形のお兄さんでもその態度を変えないのは彼女らしい。





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あきゅろす。
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