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創造の魔術師
なに見てたの?
「自分で言って訳がわからないことないだうに……」
「へへッ…♪」


 聞いているのか聞いていないのか……、一人で勝手に喋ってみるが、水連はなにも答えずに、その場で二、三回ステップを踏んで振り返えり、ニコッと愛想笑いを浮かべた。そして、またクルリと半周すると、ただまっすぐ焔のもとに向かって、携帯の画面を見続ける彼女の向かい側に座って声をかけた。俺も水連の隣に座る。


「こんばんは、ほむら。今日は一人?」
「あっ、水連………うん、まぁ…ね」


 焔は気落ちした様子で、携帯を隠すように閉じ、スカートの裾にしまい込んで締まった。
 その様子を観た水連が、怪しい目をして焔の方をまじまじと見つめる。


「ふーん……で、なに見てたの?」
「別に……どうだっていいじゃない」
「怪しいなぁ……あ、もしかしてアッチ系のサイトでも見てたの? やっぱり焔もそういうことに興味あるんだ……」
「ば、ばっか! んなわけ―――と、とにかく、そういうことじゃないよ!!」
「素直じゃないなぁ〜♪」
「あ〜もぅ、違うんだって!!」


 先ほどの憂鬱そうな感情は何処へ消えたのか、今度は顔から火が出るくらい赤くなって、両手をブンブンと振りながら全力で否定し始める。今日も何度かこんな様子を観ているけと、こいつは案外感情の突起が激しい奴なんだな……。


「……で、その後ろに居るのは解なの?」
「あぁ……結局なんだかんだしてるうちに、おかげさまで俺も無職から学生になったよ」
「……生徒手帳ちょっと貸して」
「あ、ソレは私も気になるなぁ〜〜」


 俺は自分の生徒手帳を見せると、彼女達は俺の生徒手帳の顔写真が貼ってある方をまじまじと見る。


「人の顔がそんなに気になるのか?」
「いや、そうじゃなくて魔属性が気になるだけ……――って、これって」
「ボクも……初めて見た」


 彼女達は違いに顔を見合わせながら、何やら驚いた様子をしたまま、俺に生徒手帳を帰した。


「俺の手帳に何が書いてあったんだ?」
「一言で言えば……凄いことかな?」
「凄いこと?」
「そうだね、……まず創魔君には、魔属性についてから話すかな?」

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