永き夢路への扉
第39話 港町ザイール
そして次の日の朝…
港町ザイールの入り口に一台の馬車が止まった
「ホラ着いたぜ学生さん!」
馬を引いていた男が手綱を下ろして後ろの荷台に向かって叫ぶと
「ありがとうな、おっちゃん!」
「ありがとうごさいました」
黒髪の男と緑髪の男──カイと#ヒナタ#が荷台から降りて馬を引いていた男に向かって礼を言う。
「いいってことよ!じゃあ気をつけて帰れよー!」
男は手を振って街の中に入る2人を見送った
「…………スッゲー…」
街の中に入ると俺はそのデカさに唖然とした
「ザイールは王都から近いからな。各国からの貿易商や人が多いんだ」
「へぇー…」
ヒナタの説明に適当に相打ちをうちながらカイは瞳を輝かせながら街を見回した
「なぁなぁ、あれなんだっ?」
カイがヒナタの服を引っ張って建物を指差して問い掛ける
「あれか?あれは民家…」
ヒナタが丁寧に教えようとするが
「ヒナタ〜っ!なんか食べ物がいっぱい並んでるぞ!」
カイは既に他のものに興味がいっていた
「それは店…」
それでも街を初めて見たカイの為にめげずに説明しようとするが
「ヒナタっ!」
「今度は何だっ?!」
カイがまた遮ったことで少しイラつきながらヒナタはカイの方を振り向いた
「ハラ減った…」
お腹の音を鳴らしながら腹を押さえて自分を見るカイに暫く唖然としたが、すぐに軽く溜め息を零して苦笑いしながらヒナタは言った
「・・・・・・まぁ、食ったのは昨日の夜だからな・・・・」
「そうそう!だからさぁ…」
キラキラと目を輝かせて自分を見るカイにヒナタは折れた
「仕方ないな……。まだ早朝だから市場くらいしか開いてないが、腹ごしらえになるくらいのものなら売ってるだろう。」
「やった!……!?/////」
カイは子供のようにはしゃいだ。というかさっきからのカイの田舎者的発言に周囲から注目を集めていたことに2人(特にカイ)はやっと気付いて脱兎のごとくその場から逃げ去った(笑)
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