永き夢路への扉
第31話 そのころ…
そのころ…
-アルタミラ街道-
(…ったく、何で俺が)
気配を消し、木の上でブツブツと文句を言いながらカイ達より先回りして待っているハワードがいた
「…そりゃ俺は影薄いけどさぁ〜なんでこんな地味〜な役……!!」
ハワードの動きが止まる
ほんの一瞬こちらに向けられた殺気をハワードは見逃さなかった
(…誰だ?)
カイ達ではない。あいつらは俺の気配に気付きはしないからだ。
それにここは街道。強盗団の一つくらい出てくるだろう。しかし
(…殺気が違いすぎる)
ハワードは気配を探った。相手はおそらく1人。だが、さっきの殺気からしてだいぶ戦い慣れている
ハワードは腰に装備されたナイフに手をあて、いつでも戦えるよう構えた
相手の気配が近づいてくるにつれてハワードに緊張が走る
その刹那──
遠くからこちらに向けて剣が降り下ろされた
ハワードはそれを横に避け地面へと降りた
「マジかよ…;」
地面はえぐれ、さっきまでハワードがいた木は剣圧だけで真っ二つに割れていた
相手はそのままハワードへと斬りかかってくる
キィィイン─
「ぐっ…」
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