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憑人という男
「あ..ァんっ....ぁあ..も、むり..」
C
「無理は言わない」
憑人の気に入らないことを言ったから、後孔のなかにあるものが、俺の前立腺を執拗に責めはじめた。
「ひゃあ...ごめ、ごめんなさい!も、もう言わない...あ..ぅ」
「ほんと、お前は快楽責めに弱いね」
俺の髪を撫でながら、憑人が言う。
「いつからそんな淫乱になったんですか?」
「憑...人の..せぃ...ひぃぃ!」
「俺のせいですか?こんなに妖魔を締め付けて、何を言っているんだか」
今、俺のなかに入れられているのは、憑人が使役している妖魔で、俺のなかで食事をしている。精気を吸いとる性質らしく、さっきからがくがくと、快感が止まらない。
憑人はいつもこんなふうに、俺を道具にする。
憑人の性欲処理だって俺の仕事。
そのためだけに、10年もこんな屋敷に囚われて、そんな自分が哀れだと思うけど、でも、他にどうしようなんて思わない。
「ふふ、岳、妖魔が元気になってきましたよ。よく頑張りましたね」
そういって、俺と赤彦にしか見せたことのないような笑みを、憑人は俺に向けた。
そしてそのまま労るように風呂へ入れてくれる。
憑人は冷酷だ。
でも、それ以上に優しい。
俺はそんな憑人に執心していて、離れることなんて、できない。
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