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あまねく罪と言うものは!1
(奏視点)奏と階人の出会い
つまらない、そう思う。
殺人は趣味で仕事で、でも好きなことでも仕事と言われるとやる気がなくなるのは、当然だと思う。
反りの合わない姉、重波(えなみ)からの仕事であればなおさら。
仕事の内容は重波とやり合ったマフィアの殲滅だった。
そこまで大きい組織ではないみたいだし、難しくはないだろうが、大勢を殺る時は、片っ端から片付けていくので、あまり楽しみも見い出せない。
「こんばんは」
「お前、だ」
パン
軽い発砲音がして、目の前の相手が倒れた。
銃を使うのは好きじゃないけど、さっさと終わらせないと重波がどうにもうるさいので、仕方ない。
事務所の中を突き進んで、順番に確実に殺していった。
そして、一番奥、このマフィアのボスの部屋へ行く。
もし、この事務所以外に構成員がいて、生き残ったりしたらどうするのだろうかと思うが、そのあたり、重波の部下がどうにかするだろう。
「こんにーちは」
そんなに重くないドアを開け、動く影を捉え、発砲する。
一分もしない間に、部屋の中の全員を殲滅した。
...と思ったら違った。
部屋の隅でガタガタ震える黒い影がある。
「手を頭の後ろ。膝をついて座れ。三秒以内、じゃないと殺す」
伝えたいことを端的に告げる。
影は震えながら、俺の言う通りにした。
あのとき、どうしてその影を撃たなかったのか、未だにわからない。
いつもの俺なら、その組織の被害者であったとしても、殺していたはずだ。
もしかしたら、それが運命と言うものなのか。
そして、俺たちは出会った。
黒い影は、まだ幼さを帯びた青年で、俺は彼に一瞬で惹かれてしまったのだ。
to be continued
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