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Alpha dog8(完結)

「じゃあ...cold whaleやめてくださいよ」
辻に言われた一言。

それから、俺が日頃思っていたことが混ざりあって、勢いで部屋を飛び出してしまった。

行くあてもなく、辿り着いた公園のブランコに座って、ぼんやりと宙を見つめる。

きっと、俺がバンドをやめたいって言い出したら、みんなは止めると思う。俺が東京の高校に入るために上京して、そのあとあいつらと出会って、もう5年近くになる。

ずっと4人でやってきた。

3人に止められたら、やめる自信なんてない。
でも、cold whaleには、もっと卓越したドラムが必要だ。

椎名のつくる曲を支えられるような、そんなドラム。
それは少なくとも、俺じゃない。

考えれば考えるほど、自分の存在意義がわからなくなってきて、ぶくぶく水のなかに溺れてるみたい。

「実家帰ろうかな」
俺のネガティブを知っている家族なら、いきなり帰っても、きっとそっとしておいてくれる。

「なにいってんの」突然背後から声がして、振り向くと、三笠がいた。

「みかさ」
「吉野、実家帰るの?」

こくり。となにも考えずに頷いた。とたんに三笠の表情が険しくなる。
「来て」

腕を掴まれ、ブランコから立たされて、歩かされる。

ついた場所はラブホテル。
手際よく三笠が手続きをして、部屋に入るとすぐ、キスをされた。

「んっ...やだぁ...みか..」
「なんで、なんで急にいなくなった?俺が嫌いなの?」

そう問いかけながらも、三笠は俺の服を脱がしていく。

わざとか偶然か、奴の指が乳首を掠めた。
「ひぃうっ」
大袈裟なくらい、体が跳ねる。

そのあとは、しつこいくらいに弾いたり掠めたり、摘まれたり。
そのたびに反応する俺を見て、三笠は言う。

「乳首でこんなになっちゃうって、女の子みたいだね」
三笠に触られた自身は、もう勃っている。

「俺が、お前をこんな体にしたの。ここで気持ちよくなっちゃうのも」

いつの間にかローションを纏っていた指が、俺のナカにつき入れられる

「やっ..らめっ...ぬぃてぇ...ふぁぁっ」
「全部俺が、こうした。ちゃんと、それわかって感じてる?」

容赦なく抜き差しされる指に翻弄されながら、三笠の言葉に、必死に頷く。

「じゃあ!なんで!俺以外の奴の言葉で、俺のところから離れるの?そんなの、絶対許さない。お前がどれだけ自分に自信がなくたって、俺にはお前が一番愛しいんだ!そのくらいわかれよ!!」

三笠の口から飛び出したストレートな言葉に、自然と涙が零れた。

「...みか、さ、みさか、好き。だから...んぅ...そばにいてもいぃ?」

「もちろん」

にっこり笑った三笠が俺を抱きしめて、キスしてくれて、そしてまた激しく律動する。

「ひゃんっ...だめぇっ...ちょっみかさぁ!はげしくしなぃでぇ!」
「だぁめ、一緒にイこーね」

ぐちゅぐちゅとはしたない音が、ラブホの部屋に響く。恥ずかしいけど、理性なんてもう、飛んでしまった。

「ふにゃうっぅ...らめっきもちよくて、おかしくなっちゃぅっつ!!」
「おかしくなれよ。それでもお前のそばにいるから」

ずくん、と奥を突かれて、そのまま射精する。
それと同時に三笠も果てた。




家へ帰っても、三笠は俺にべったりだった。

「だって、そのくらいしないと吉野は勝手に、自分はいらないんだって、どっか行くんだもん」

そういってキスをする三笠には、とても悪いことをしたと思う。もちろん、他のふたりにも。

「なぁ、三笠。俺、自分に自信持てるようにさ、練習したいんだけど...セッションしてくれる?」
「あぁ、そんなふうに、俺を頼れよ?吉野」

そういって抱きしめてくれる存在がある限り、今度は俺、がんばりたい。
そう思える幸せを、俺は噛みしめた。






あとがき
なんか、終わり方がorz
しかも別に言うほどネガティブじゃないし、三笠もエロくないですね\(^o^)/


でも、これ書くのすごく楽しかったです!
無事終われてよかった〜!

もしよければ感想待っております〜

夜子




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あきゅろす。
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