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白虹学園
ひなたぼっこ日和



屋上の扉を開ける。





「うはー」

青い空を見上げてぐっと伸びをする。きれいな屋上だ。気持ちいいなぁ。今日は少し雲があるけど、まっさらな青空より少し雲がある空の方が好きかもしれない。
いつも昼休みは佐助と過ごすんだけども、今日はやっぱり帰ってこなかった。
しゅーんとなってるのも良くないし、たまには外でと思ってお弁当持参で来てみたんだけど、良いなぁ、屋上。なんだか頭がスッキリする。


そういやあいつらも屋上好きだったな。


今になってなんとなく、前の高校の友人達の気持ちが分かったような気がした。
あいつらとの出会いもやっぱり屋上だった。諸事情でいきなり殴られて、脅迫されて、それから長いような短いような期間を一緒に過ごして友達に、なった。

「元気かなぁ」

……………まずい。
自分の声がびっくりするくらい情けない。

少し考えてから、ポケットから携帯電話を取り出す。あんまり使ってないから新品みたいにぴかぴかだ。
『基本料金』なんてものは勿体なさすぎるから、プリペイド式の安いのを貯金で買った。
佐助に見せたら「今時モノクロ画面の携帯なんて売ってんのか」と本気で驚かれた。けど、メールなんて使わないだろうし、これで十分間に合っちゃうんだよな。

少ないメモリから番号を呼び出す。
『さ行』。
『斉藤泰彦』の下にある名前。




『四堂真帆』。




決定ボタンを押して、
通話ボタンの上に親指を乗せて、







「…………………」







指を離した。



本当は、実力テストの結果が出たらすぐ電話しようと思ってたんだけどなぁ。
ため息をついて携帯電話をポケットにしまい直す。

「いかんな」

腹が減ってると人間元気がなくなりますからね。とりあえずメシ食おう。


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