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白虹学園
強かな後輩










生徒会室の扉をノックすると、すぐに綾先輩が開けてくれた。

「失礼します、綾先輩」
「長雨くん」

綾先輩の表情が綻ぶ。自分を見た瞬間そういう顔をされると思わずどきどきしてしまいますな。

「どうぞ、入って下さい」

綾先輩に言われて、俺も後に続いた。

「お邪魔しまーす…」

きれいな部屋だ。窓が大きくて光がよく入ってくる。部屋の真ん中には大くて長いテーブルが置いてあって、ずらりとイスが並んでいる。どっちも豪奢で凝ったアンティーク風の家具ばかりだ。高そう。

「有坂くんはまだみたい。ゆっくりして」
「ありがとうございます」

ついきょろきょろしてしまう。壁の上の方には、銀の額に入った写真が飾られている。その一番右の写真に目がいった。某数学者の有名な写真みたいに舌をびろんと出して写ってる男性。眉間より笑い皺の方がずっと深くて、少年のまま歳をとった感じのする男性だ。諏訪原会長に顔の造りはよく似ているけど、その表情や雰囲気は全然違う。額の下についているプレートの名前が目についた。




『学園創設者・諏訪原心』




「すわばら…?」
「諏訪原心(すわばら こころ)」

綾先輩がいつの間にか俺の隣りに立って、写真を見上げていた。

「学園長のお祖父様よ。個性的なお写真でしょう」
「はい…」
「ご本人も個性的で、人を惹きつける方だったそうよ。タイプは違うけれど、学園長や会長も引き継いだ力かもしれないわね」

もしかしたらそれは高見沢レンもかもしれない。

「ん?諏訪原…心…」
「どうしたの?」
「あ、いや、何でもないです」




こころ、か。





コンコン、とノックの音がした。

「どうぞ」
「失礼します」

声だけ聞いて、ビシッとスーツを着た社会人を連想した。それくらいしっかりとした声だ。入ってきたのは有坂銀太くんだった。俺とすぐ目が合って、有坂くんは隠しもせず、迷惑そうに顔をしかめた。正直だなぁ。

「…相談って水上先輩ですか」
「?二人はお知り合いでしたか」

綾先輩は不思議そうに俺達を見る。有坂くんはため息を堪えるようにテーブルに歩んできた。向かいに座られる。

「………知り合いではありません」
「そうか、有坂くんは水上くんに助けてもらったんでしたね」

有坂くんが眉間にシワを寄せる。険悪な雰囲気に、綾先輩が首を傾げる。




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あきゅろす。
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