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短編小説
★カノジョのキモチ おまけ(黒崎蘭丸)
「……」
「……」

気まずい。
何も言わずの散歩なんてキツい!!
奏音は、内心そう叫ぶ。
話しかけようとしても、何の会話をすれば良いのか全く判らない。

『彼氏さんの何処が好きですか?』

そんな他愛ない質問に答えた自分が悪いのだろうけど。

「蘭丸くんの家…?」

蘭丸に腕を引かれるままに歩き、辿り着いた先が蘭丸の家。
時折、蘭丸の家に遊びに行く奏音。
道理で見慣れた景色だな、と思っていた。
タンタンタン、と階段を上がる。
蘭丸はトレーニングの為か、エレベーターは使わない。
どうやら、健康管理はちゃんとしている様だ。
それなら、食事管理もちゃんとして欲しい所でもあるが。
ガチャリ、と、鍵を開けた音で気が付く。

「え?」

ぽい、と乱暴に靴を脱ぐと、ひょい、と奏音を抱える。

「え?!ちょ……蘭丸くん!!」
「煩ぇ」

向かう先を想像出来てしまい、ジタバタと暴れるが所詮は女の力。
男に敵う筈もなく。
ドサ、とベッドに下ろされる。
ぎしり、と、スプリングが跳ねる。

「あんな言葉を聞かされて、オレの理性が保てるかよ」
「聞いてるなんて、知らな…ッァ!」

ぢゅっ、と、噛み付くが如く、首筋に口唇を寄せられ、奏音の身体が跳ね上がる。

「オレが、どれだけお前を愛してっか、ちゃんと身体に教えてやる。覚悟してろよ?」
「そんなの、要らな…てか、判って、ぁっ!!」
「遠慮すんな」
「遠慮する!!」
「ま、その気にならねぇお前をその気にさせるのも、愉しみの1つ、だな」
「愉しむな!!」

逃げようと、何かを探そうとしても、こんな時に限って何もない。
いつの間にかTシャツに忍び込んだ指先が、ぷちん、と、ブラジャーのホックを手慣れた手付きで外す。

「ちょ……っ、ダメだってば……きゃあっ」
「却下」

グイ、と強引に着ていたTシャツを剥ぎ取られ、抵抗していた腕もベッドに縫い付けられ、逃げられない。

「……手加減してよ?」
「―――――……さあな」
「何、その間……んぅっ」

ぬるり、とした感触が耳に触れる。
湿った音と吐息が鼓膜に響き、甘い痺れが奏音の背筋を滑り落ちる。
カリッ、と耳殻を甘噛されて、奏音の身体が跳ね上がる。

「あ…ッ、や、ソコやぁッ、止め…っ」
「止まらねぇな」

空いた指先が、首筋を伝い、鎖骨をなぞり、胸の形を確認する。
そして、大きな掌が胸を包み込み、円を描くように解していく。
甘い声と吐息が漏れる度、奏音が快楽を得ている事を告げる。
むにむに、と、胸を優しく揉み解していた手が、思い出したかの様に、胸の尖端をコリコリ、と弄り、時折、くにくに、と指先で弾く。

「ひゃ…あっ、あ!」

ビクッ、と、奏音の身体が跳ねる。
耳にいた口唇と舌が、首筋を伝い、鎖骨を通り、ちゅう、と空いていた胸の尖端を口に含む。
揉まれる感覚と、吸われる感覚、そして、舌の上で転がされ、舌先で弾かれる感覚に酔い知れる。

「!」

頬を紅く染め、潤んだ眼差しで見つめて来る奏音の表情に、ブツ、と理性の糸が切れた音が聞こえた。

「んっ!!んむ…ッ、ふ、っ」
「ん…っ……は…っん」

吐息を奪う勢いで、奏音の口唇を奪い、輪郭を舌先でなぞれば、擽ったいのか、自然と何かを招き入れるかの様に口が開く。
その隙を狙い、強引に舌を侵入させる。
奏音の口内を我が物顔で這い、逃げ惑う舌を捉え、絡める。
何度となく交わしたこのキス。
けれど、未だに慣れる事のないこの身体。

もっと、もっと、もっと。

深く絡まり、解けないくらい溶け合いたい。

そんな欲望が頭を擡げる。
とん、と、息苦しさを訴えてくる奏音を無視し、欲しいがままに、奏音の口唇を味わい、激しく舌を絡める。
口唇を離した時には、ぷくり、と微かに腫れているのか、赤い色が視界に映り、つつ、と飲み切れなかった唾液が口端から流れ落ちる。

「何度もキスしてんのに、まだ慣れねぇのかよ」
「バカ…ッ、知らない…っ」

かぁあ、と、頬を紅く染め、そっぽを向く奏音の髪を優しく撫で、再び首筋に顔を埋めれば、ひく、と、身体が、反応を示す。
奏音の少しだけ開いていた膝の間に、身体を滑り込ませ、強引に足を開かせる。

「も、やだぁ。いや…ッ」

快楽に溺れ切れないのか、羞恥心なのか、奏音が悲鳴を上げる。
そんな悲鳴など聞き流し、器用に脱がした服を、邪魔だ、と言わんばかりに、ベッドの下に落とす。
そして、蘭丸以外、誰にも触れさせた事の無い場所に指先が辿り着く。
しっとり、と、指先に伝わる濡れた感触が、自然と蘭丸の笑みを深める。
そんな奏音を焦らすように、足の付根に指先を這わせる。

「ふ…ぅん、あ…ぁ」

くすぐったい様な、じれったい感覚に、奏音がもじっ、と身体を揺らす。

「お願、い。意地悪…しない、でぇ……ッ」
「ダメだ。お仕置になんねぇだろ?」
「お、仕……置……?」

はぁっ、と甘い吐息を洩らし、奏音は蘭丸を見つめる。
どうやら、判っていない。

「お前、告られたんだってな?」
「そ、それは……ッ」
「オレには言う必要ねぇってか?」
「違……ッ。こんな…、事で…迷惑、かけたくな…ッ、ひゃあぁっ!」

ぐちゅ、と、甘い蜜を垂れ流す花弁の中心に指を突き立てる。

「奏音」
「…ッ。彼奴…何する、か……予、想出来な、いからっ」
「……言えよ」
「……?」
「対処ぐらいは出来る。だが、奏音。お前にもし何か有れば、オレは何をするか、判らねぇ」
「!」
「オレをミュージシャンで居させるのも、一般人に戻すのも、お前次第だ」

蘭丸の言葉に、奏音は困ったかの様に眉を下げる。
バカみたいに優しすぎる奏音。
きっと、また告白されても黙って対応するだろう。

[んなの我慢出来るか]

奏音はオレだけのモノ。
意地っ張りで素直じゃない所も、娘憎たらしい言葉を言うこの口も。
そして、オレ以外知らない、感度が良過ぎるこの身体も。
誰にも渡さない。

そんなドス黒い感情に動かされながら、花弁の胎内にある指の本数を増やして行く。
胎内は熱く、トロトロに溶けて、膣壁も柔らかく、蘭丸を受け入れる準備が整いつつある。

「ふぁあ…ッ!あっ、あっ!」

きゅ、と強く瞳を閉じて、襲い来る快楽に堪えようと足掻く。
何処が感じるか、自身よりも蘭丸の方が知り尽くして居るから、足掻くだけ無駄、なのだが、完全に身を委ねるのには抵抗があるのだろう。
奏音は、瀕死の猫の様に小刻みに身体を震わせる。

「も…ぅ、らめ…ッ。ぁああ―――ッ!!」

ビクビク、と身体を跳ね上がらせ、高みへと身体を押し上げた。


――――――――――――――――――――――
あとがき

続きます。




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