短編集 ネコの日(手塚国光 R-15) 国光は困り果てていた。 今日は、2月22日。 世間では、ねこの日と呼ばれているらしいが、いかんせん。 それに合わせ、ねこになる必要性があるのだろうか。 国光は、ねこ耳・しっぽまで付け、完全にねこ化している奏汰を冷静に観察していた。 「にゃ?」 そんな国光の心情など知らない奏汰は、こてり、と首を傾げる。 「一体、誰の仕業だ(--;)」 国光の膝に頬を擦り寄せる奏汰の様子を見ながら、深い溜息を吐いた。 こんな下らない事をしでかすのは、奏汰の三番目の兄である脩斗ぐらいなもの。 今なら、呼び出された時に見た、あの意味深な笑みが理解出来る。 「にゃあ」 「ん?」 カリカリ、と、柔らかく膝を引っかく奏汰に気が付いたのか、国光が奏汰に顔を向けると、ニィ、と、ねこの様に、瞳を細めて笑った、と思いきや。 ちゅっ 唇に柔らかい感触が触れる。 ちゅ、ちゅ…ペロッ。 国光の唇を味わうかの様に、舐める奏汰。 ぷちん(←理性が切れた音) 「ふにゃん?」 国光は、ひょい、と奏汰を抱き上げ、そのまま、部屋へと連れて行く。 「にゃあぁあ……あっ、あ」 奏汰の悲鳴が、甘い嬌声に変わるのに、時間は掛からなかった。 ―――――――― 手塚も男の子なので(^^; 2019.02.22 [次へ#] [戻る] |