ラピスラズリの泪 006 双子の情報は、一気に噂となって広まる。 どうやら、二年生の様で、樺地と同じクラスらしい。 双子、特に一卵性双生児は姿形が瓜二つの為、クラスが別々になるのが普通だが、陽汰の我が儘で同じクラスになったとか。 情報が欲しい、と思わなくても、自然と耳に入る。 そんな環境に、小さく溜息を吐いた。 [しかし……] 景吾の疑問は、募る。 理事長の変貌、そして、あの双子の態度。 あの双子に、何があるのだろう。 見えない何か、がある気がするのは、気の所為だろうか。 それに、気になる言葉が、ある。 『仕方ないだろう。姫君を招き入れたい学園は、数多にある』 その言葉だ。 どうして、数多の学園は彼女達を欲しがる? 彼女達に何がある? 疑問は尽きない。 本人達に直接聞くのは可能だ。 だが、あの一癖も二癖もある妹の事だ。 決して口を割らないだろう。 「………」 景吾は暫くの間、考えに耽っていた。 また、それが女子生徒達の妄想を膨らませている、等とは思ってもいなかった。 [*前へ] [戻る] |