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蒼月の光
004
「名前、何て云うんだ?」
『………』

微かに警戒の色を見せた女に、エースは慌てて、

「俺はエース。向こうのパイナップルはマルコ」
「だーれーが、パイナップルだよぃ(・言・)」

ゴイン

2度目の拳骨炸裂。
女はびっくりした様な表情で、エースとマルコを交互に見つめた。

『…大丈夫?』
「平気平気。で、名前」
『……シャナメル・オルフェウス』
「シャナメル…」

口の中で、言葉を転がす。

「年は?」
『16』
「俺の二つ下かァ」

まだ、幼さを残すその表情に、エースは柔らかく笑った。
そして、様々な話をし始める中、

『エースさん?』
「俺の事は、呼び捨て」
『ふぇ?』
「呼び捨てで良いって」
『……でも』
「メール」
『……あぅ』

困惑した表情でエースを見つめる。
今か今か、と待ちわびるエースに根負けしたのは、シャナメルであった。

『…エースくん?』
「――……ま、くん付けで良っか」

満足げに笑うエースに、シャナメルは微かに頬を染めた。

[どこか子供っぽくて、笑うと太陽みたいな人だな…]

シャナメルの率直な感想である。
そんなエースと他愛ない話をしていると、

「色仕掛けで不味い果物、売り捌いたのかよ」

その言葉を聞いた瞬間、シャナメルの躰が、ビク、と強張った。

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あきゅろす。
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