Wonderful days 迷子のウサギ〜各の目的〜 『ハチミツくぅん、ここ何処ぉ……怖い〜…ぐしゅっ』 不安そうな声が機械越しに聞こえる。 「周囲を見回せ。何が見える?」 『通路と……ドアがある』 「ドアのプレートには何が書いてある?」 『えとえと』 「慌てるな。ゆっくりで構わない」 『ボ…、イラー室』 「そのドアの前に居ろ。迎えに行く」 『うん、判った』 通話を終わらせ、側に居た清純を鋭い眼差しで睨むと、 「―――…彼女に近付くな」 それだけを告げ、国光はこの合宿所の管理者を探しに向かった。 「へぇ…」 それを見送った清純は、くす、と笑う。 「あの手塚に、あんな表情させたあのコ、気になるね」 「止めた方が良いよ。ウチの手塚、ああ見えて獰猛だから」 「え?」 声が聞こえた方に振り返れば、そこに周助がいた。 「不二クン。獰猛ってどう云う意味?」 「そのままの意味かな。ライオン達が飼い主のウサギちゃんだから、ちょっかい出せば、タダじゃ済まないよ?勿論、ボクもね」 にっこり、と笑うその背後には、得体の知れない"何か"が見えた。 ゾク、と、した物が背筋を伝った。 「わ、判った」 「妥当だね」 周助はそれだけを告げ、その場を後にする。 「ケド、そう云われると、益々燃えるんだけどね〜」 そう呟くと、清純はくすくす笑う。 「…今回の合宿で様々なデータが更新出来そうだ」 「そうだな」 その様子を陰から見ていた、蓮二・貞治はデータ獲得の意欲に燃えていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |