Wonderful days
逃げたウサギ side国光
「お前達は、ここを何処だと思っている」
国光の鋭い視線が、その場に正座させられている青学テニス部員の桃城武と、海堂薫に突き刺さり、2人は竦み上がった。
「「スイマセン」」
「会議が終わり次第、合宿所周り50周だ」
「ゲッ!!」
「異論は聞かな―…」
「ふぎゃ――ッ!!ハチミツく――んッ!!」
奏汰の悲鳴が聞こえる。
国光は、奏汰を待たせてある場所へと向かった。
◇◆◇◆◇
「千石か?」
「やぁ、手塚クン。久しぶりだね」
にこやかに話す、目の前の少年。
奏汰が居た場所にどうして、彼が居るのだろうか。
「ここに、女子が居た筈だが?」
「あぁ、あの可愛いコ?声かけたら、凄い勢いで逃げられちゃった」
急に話掛けられ、恐怖心が上回ったのか、その場に居れば良いものの、奏汰は国光が居る方ではなく、反対方向に逃げたのだ。
「女子を見かける度に、声を掛けるのは止めろ」
「あのコ、手塚クンの彼女だった?」
「彼女は俺の従妹だ」
「ふぅん」
そっけない返事に、国光は小さく溜息を吐いた。
そんな中、くぐもった音が聞こえる。
携帯を取り出すと、そこには"奏汰"の文字。
「奏汰、何処にいる?」
『ぐしゅっ…判んない』
さもありなん。
方向音痴の奏汰に聞いたのが間違いでした。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!