Wonderful days 泣きウサギとリハビリ 隠れる場所を見つけた奏汰は、ぎゅっ、と見つけたそれに抱きつく。 「奏汰?どうした?」 「"飼い主待ち"だったんだね」 「……不二」 「クス…冗談だよ」 奏汰が隠れた先は、国光の背中。 抱き付く奏汰の腕をぽんぽん、とあやす。 触れている腕が震えていた事から、怖かったのだろう事が判った故の行動であった。 すると、奏汰の拘束が弱まった気がした。 しかし、部員は彼らだけではない。 「てっ、てっ…」 「ん?」 声のする方を向くと、フルフル、と肩を震わせ、怒りに表情を歪ませる少年――…大石秀一郎の姿があった。 「手塚――!!お前、何やってんだ!!」 「ぴぎゃっ!!」 秀一郎の怒声に、奏汰は再び飛び上がる様に驚き、国光にしがみつく……、だけでは終わらなかった。 「ふぇ…、うわあああぁあんっo(T□T)o」 余りの恐怖心に、大声で泣き出したのだった。 「大石が泣かしちゃったね」 「えっ」 「泣くな」 泣きじゃくる奏汰の頭を撫でる。 「え?え?」 状況を把握出来ない秀一郎は、泣きじゃくる奏汰と、慰める国光と、泣かした〜と騒ぐ一部の部員にオロオロするばかり。 「奏汰ちゃんは、リハビリに来たんだよ」 「リハビリ?」 「他人に慣れる為の、ね」 周助は、ニコ、と笑って告げた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |