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Wonderful days
ヒグマくんと逃げたウサギ
雪斗は、「車停めてくるから、お前等先に行ってろ」と告げ、2人を降ろす。
そこは、青春学園中等部と書かれた門の前。
奏汰は国光に連れられ、男子テニス部室前に居た。

「俺が来るまで、大人しく待っていろ」

奏汰が頷くのを見届けると、国光は部室に入って行った。

「…」

国光に云われるがまま、大人しくしていたが、次から次へと、クラブに所属しているらしい生徒が奏汰に視線をやりながらも、それぞれの部室に入って行くものだから、心中穏やかではない。
周囲を窺いながら、ぬいぐるみを抱く腕に力を込めた、そんな時。

「あれ?」
「う?」

声が聞こえた方に顔を向ければ。
1人の少年が居た。

「君は…奏汰ちゃん?」

きょとん、とした表情を向ける奏汰だったが、

「思い出した!!ヒグマくんだ〜」

見知った少年だったようで。
にぱっ、と嬉しそうな笑みを向けた。

「久しぶりだね」
「うん。ヒグマくん、元気そうで何よりだ」

にこやかな会話。
すると、

「不二〜」
「ぴぎゃっΣ( ̄□ ̄;)」

明るい声に驚いたのか、奏汰は飛び上がるように驚くと、周囲を見回し、隠れる場所を発見したのか、一目散に走ると、思い切り、抱き付いた。

「ウサギちゃん、逃げちゃった」
「え?」

そう呟いた。

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あきゅろす。
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