Wonderful days
朝から喧嘩につき
「そんなに怒らなくても良いだろ〜(# ̄3 ̄)」
「……」
ぷくっ、と、頬を膨らませ、国光を上目遣いで睨む。
そんな眼差しをしても、国光は冷静で。
「お前は、俺を何だと思っている?」
「従兄だ」
さもありなん。
確かに国光は従兄であるが、"男の子"と云うのが、すっかり抜け落ちている。
「二人ともおはよう」
「おはようございます」
「おはよ、一番目の兄上」
海音と雪斗が目覚めたのか、姿を見せる。
「朝っぱらから、なーに揉めてんだ?」
雪斗の言葉に、国光は黙り込む。
「奏汰」
「う?」
国光の態度に違和感を感じた海音は、恐る恐る尋ねてみた。
「まさかとは思うけど、国光君に夜這いなんてしてないよね?」
「…えへ」
「奏汰ァ!!」
「一緒に寝ただけだ!!えっちぃ事してない!!」
「そう云う問題じゃないだろう!!!」
「そう云う問題だ!!ボク、悪くないもん!!」
バチバチバチ、と、火花が飛び交う。
「…兄貴と奏汰の口喧嘩勃発だ」
口喧嘩は、次第にエスカレート。
次第に言葉が日本語からドイツ語に切り替わる。
「何て云ってるんだ?」
「判りません(--;)」
「だよな(ーー;)」
2人は、口論を静かに見守った。
◇◆◇◆◇
騒がしかった朝が過ぎ、国光の部活が始まる時間に間に合うように家を出た、奏汰、国光、雪斗。
奏汰は、うさぎのぬいぐるみを抱きしめ、膨れっ面をしていて、明らかに機嫌が悪い。
「そんなに拗ねるなよ(ーー;)」
「ふんっだ!!」
ぎゅう、と、うさぎが潰れるぐらい抱きしめている。
国光に対しての独占欲がここまで激しい、とは、予想だにしてなかった。
「一番目の兄上め。覚えてろ」
そんな物騒な言葉に、
「奏汰」
「う?」
「兄貴に弁当を渡してたよな?」
一つ作るのも、二つ作るのも同じだから。
そう云って、義兄2人の弁当を作っていた。
が、渡した時の意味深な微笑みに、何かある、と感じた。
「おかずは何?」
「誰の?」
「一番目の兄上だ」
国光、参戦。
どうやら、気になるようだ。
「ピーマンのおひたし、ピーマンの肉詰め(肉かなり少な目)、ピーマンサラダ、チャーハン(ピーマンかなり多め)だ」
「ちょっと待て!!」
「「?」」
雪斗の慌てように、2人は小首を傾げた。
「兄貴、ピーマン苦手なんだよ」
「え?」
雪斗の言葉に、奏汰を見る。
奏汰は笑って、
「好き嫌いはダメなんだよ〜」
国光と雪斗は、奏汰の復讐に、盛大な溜息を吐いた。
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