Wonderful days お泊まり決まり? 「ハチミツくん、ハチミツくん」 くいくい、と、服を引く。 視線を奏汰に向ければ、機嫌良く笑っている。 「お泊まりする?」 「いや、帰るが……」 「もう時間も遅いし、危ないし」 そう云われて、時計に目をやれば。 時計の針は、午後8時を指していた。 「補導されたら、部活とか大変だし。そんなの、ボク、嫌だし」 奏汰は必死になって、国光を説得に掛かった。 それを見ていた義兄2人は、 「国光が補導されるのは、絶対にねェな」 「実年齢に見られないからね……」 と小声で話していたのは云うまでもなかったが、奏汰は真剣な表情で国光を説得している。 「明日も、部活が――……」 「兄上のどっちかが送ってくれるよ」 「……」 「ねっ、ねっ。お弁当も作るから……良いでしょ?」 どうやら、帰って欲しくないらしい。 「ありゃ、国光の負け、だな」 「雪斗?」 ソファから立ち上がると、 「俺が青学まで送って行くから、泊まってけ」 奏汰を擁護する発言に、国光は折れるしかなく、奏汰は大いに喜んだ。 「済まないね、国光君」 「いえ……遅くまでいた俺が原因ですから」 「……」 [何だかんだ云って、国光君も奏汰に甘い] 海音の率直な感想であった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |