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桜花 〜追憶〜


ただ桜を見ていた
過ぎし日を想いながら
薄紅のそよ風が
優しく頬を撫でる

消えてしまいそうな
儚いその記憶は
約束の瞬間をまた
此処に彩っていく

風に散る花に包まれて
薄れていく祈りの追憶


「その愛を私の為に
少しだけ取って置いて
何時かきっと‥‥何処かで‥‥‥」と‥‥‥
凛とした後ろ姿は
咲きこぼれる桜花に溶ける


季節が巡る度に
誘われる場所へ
還る事の出来ない
瞬間に想いを馳せる

風に舞う薫りに包まれて
目覚めていく切なる祈り


この想いの全てを
一瞬の永遠の中で
胸の奥に閉じ込めた
凛としたその眼差しが
千代に変わる事のないように








※解説

瞬間→とき
誘われる→いざなわれる

"永遠"と言う物は、誓った其の瞬間にのみ、存在し得る物だと思います。
誓った直後から、全ての物は移ろい行く。
時間も季節も、人の心も‥‥‥。




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あきゅろす。
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