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薄光


一つ‥‥また一つ‥‥

指の隙間から溢れ落ちる光が
足元に拡がる深い深い闇に
吸い込まれ
消えて行く


小さい頃は
両手の平一杯だった
明るい光達

夢、希望、恋、未来
時が立つ毎に一つ‥‥‥
また一つ‥‥‥


ある時僅かに残った薄光が
手の中で‥‥
消えて行くのを見た‥‥‥


私は何時から
此処に立っているのだろう‥‥
跳ばぬように
足を押さえられたまま‥‥
絶望の淵へと
消え行く光達を
漠然と見送りながら‥‥‥

全てを失くした私は
足元の深淵に
溶け入る事さえ赦されないのか‥‥‥

この苦しみの淵から
闇に包まれ
安楽を得る事さえ‥‥
望んではいけないのか‥‥‥

どうか‥‥
その手を離して‥‥


闇に溶け
消え行く事を
お赦し下さい‥‥‥




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あきゅろす。
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