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硝子


曇り硝子の中に
ぼやけて見える記憶
時空の狭間に捨てた
忘れた筈の痛み

触れる事の無い儘
押し込まれ続ける
血を滲ませた儘の
癒されない傷達


絡んだ過去からの糸を
何処まで繙けば
真実が見えるのだろう‥‥‥

傷付かず逃げて行けるなら
硝子の記憶を隠し続け
偽りの救いの中に
此の儘ずっと
身を任せていたい‥‥‥


絡んだ幾つもの糸の何処かに
本当に優しさは
あるのだろうか‥‥‥

壊されず逃げられるのなら
硝子の記憶を守り続け
偽りの安息の中に
此の儘ずっと
身を委ねていたい‥‥‥


もう逃げられないのなら
重い記憶を背負い続けて
深い眠りの中で
此の儘‥‥
優しい夢を見ていたい‥‥‥








※解説

時空→とき
儘→まま
繙けば→ひもとけば
安息→あんそく




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あきゅろす。
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