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足踏み
2ー1
ーーーこの子だって鬱陶しくなったら、いつもみたいに本性だしてスッキリすればいいと思ってた。



今日も朝から学校は生徒のおかげで賑やかだ。私、森岡ことりはそんな中自分の教室へと1人向かっていた。私の教室は3階にあるので、運動をあまりしない私にとっては結構体力を使う。最後の段を登り終え、生徒が何人かたむろする廊下を少し歩くと自分の教室にたどり着いた。既に開放されている入り口から教室内へと入る。

「そう!だから今日はカラオケ行って軽く歌って、後は皆でゴハン一緒しよーよ。この前ー・・・良い所見つけちゃったんだー」

教室内でナチちゃんと話していたマキちゃんと目が合った。マキちゃんはその瞬間少し戸惑ったような顔をしたけど、すぐに表情を元に戻し話しを続けた。私も出来るだけ自然に視線を逸らし自分の席に着く。合コンから約1週間。マキちゃん、ナチちゃんとは1度も言葉を交えていない。それでいいんだ。自分はもう2人とは関わりを持とうと思っていないのだから。

ブーッ、ブーッ

制服の上着のポケットに入れている携帯が震えた。急いで取り出して確認する。

from ゆうさん
sub おはよう
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おはよう。今日も1日頑張ろうね。
予定通り4時30分に迎えに行くね。
何かあったらメールして。

ゆうさんからのメールだ。ここ1週間ゆうさんとはメールするようになった。と言っても朝の「おはよう」、夜の「おやすみ」のやり取りくらいなものだけど。たまにゆうさんが撮った写真を送ってきてくれる。授業中にこっそり見たり、帰宅中に見たり。毎日夜の1〜2時間しかチャットでお話し出来なかった時に比べて、1日の中のゆうさんの割合が増えてきている。その事に幸せを感じながら、私はゆうさんに返信するメールの内容を考え始めた。





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