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足踏み
4ー4

しばらくして翔梧さんが戻ってきた。「今日はサービスな」と笑いながら飲み物とケーキを出してくれる。蓮さんと2人で恐縮したけど「今日は人入りが悪いから、食べてくれると助かるんだよ」と言われ、2人とも食べる事にした。前に食べたアイス同様ケーキも美味しい。甘みと程よい酸味に思わず笑みがこぼれる。美味しいですね、と言おうと蓮さんの方を向くと蓮さんも顔をほころばせていた。

「甘いもの好きですか?」
「あぁ、うん・・・」

尋ねると少し恥ずかしそうに答えてくれた。蓮さんの答えに翔梧さんも笑う。つい嬉しくてケーキを口に運ぶ。もう一口運びながら考える。このままケーキを食べて帰るのは嫌だな。せめてもう少し話しがしたい。蓮さんの事が知りたい。上手く言えないけど、初めて他人の弱い部分を見て不安なのかもしれない。自分じゃ非力だろうけど力になりたい。恋愛とは違う人への探究心かもしれない。とにかく会話を続けようと口を開く。



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