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足踏み
4ー2

「そういや俺、あいつの顔見てないんだわ」
「え、そうなんですか?」
「あん時ずーっとタオル被ってたしな。れんって名前しか分かんねーわ」
「じゃあ次会っても分かりづらいですね」

今気づいたという顔をして翔梧さんが言った。顔を知らないというのは何かと不便だな・・・。ふと、蓮さんって特徴が沢山ある事に気づいて口を開く。

「蓮さんはですね、金髪で綺麗な顔をしてる人なんです。カッコイイって言った方がいいんですかね?」
「ほうほう」
「金髪っていっても白っぽい金で」
「うん?うん。白い金?なんだな」
「顔も、あ、肌も女子顔負けに白くて綺麗で。あと雰囲気がある人です!」
「ほー、イケメンなんだな。でも髪も肌も白過ぎじゃねーか」
「・・・あの」

何故か白熱して蓮さんの事を語っていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、翔梧さんと2人でその方向を向く。

「あ・・・」

翔梧さんと声が揃う。そこには一週間ぶりの蓮さんがいた。気まずそうに視線を下に下げている蓮さんは相変わらずカッコイイな。とか余裕しゃくしゃくに考えている場合じゃないというか、何か気まずいな。蓮さんも親しくない人に自分の事あれこれ語られるのはいい気はしないだろうし。



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あきゅろす。
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