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足踏み
2ー6

「よし、準備完了!」
「ありがと翔梧。じゃあ食べよっか」

食器類を並べ終えて、翔梧さんの作業を見ていたゆうさんが、立ち上がってこちらに笑いかけてくれた。

「おっ!じゃあ食べますか!!」
「いや、お前らには言ってないから」
「ことりちゃんトマト大丈夫?他に何か食べたいものは?」

盛り上がる佐久間さんと旭君、それに呆れた様につっこむ翔梧さん。それらを気にもとめず、私に料理をよそってくれるゆうさん。何だか微妙に噛み合ってない気もするけど、賑やかで思わず笑みがこぼれる。そんな私を見て、ゆうさんが安心した様な笑顔を向けた。その笑顔がいつも以上に優しくてドキッとする。

「ことりさん!ドリンクおつぎしますよ。フルーツお好きですか?フルーツもお取りしますね」
「お肉もあるんでお取りしますよ、ことりちゃん」

佐久間さんと旭君が小皿にフルーツとお肉をよそってくれた。2人ともニコニコと優雅によそってくれた。翔梧さんが「いや、だからホストクラブか」と小さく呟くのが聞こえた。

「ふふっ、てかことりちゃん女の子だからそんな沢山一度によそわなくても」

ゆうさんも可笑しそうに笑う。ゆうさんの言う通りどちらの小皿も目一杯盛ってあって、多分これ食べたら他はそんなにお腹に入らないと思う。ゆうさんの言葉に2人が申し訳なさそうにこちらを見る。そのやり取りが面白くって耐えきれず笑う。

「大丈夫です。頂きます。ありがとうございます」

そう言いながら、まだくすくすと笑っているとゆうさんと翔梧さんも笑い出した。

「よかったな。旭、サク。お前らウケてんぞ」
「うん。コントみたいでよかったよ」
「えー・・・、それは褒め言葉なんすかね?」

ゆうさんと翔梧さんの言葉に佐久間さんが複雑そうに聞き返す。そんなやり取りを見て笑いながら私は旭君とご馳走を食べ始めた。


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