[携帯モード] [URL送信]

足踏み
2ー5

「ことりさんってかわいーね」

間近で言われ、お世辞とわかっていても頬が熱くなるのを感じ、視線のやり場に困りシャーベットを見つめ直す。

「おいおい、ここはホストクラブか」

笑いながら翔梧さんとゆうさんが料理や皿を持ってやって来た。ゆうさんが現れてほっと安堵する。皆いい人とは思うけれど、知らない人ばかりで緊張してしまっていた。旭君と佐久間さんが「親睦を深めてたんですー」と言っているのを翔梧さんは聞き流しながら、ゆうさんと一緒に料理や食器をテーブルに並べている。

「あの、私も何か手伝えることないですか?」
「ことりちゃんは気にしないで座ってて。もう少し待ってて」
「そーっすよ。俺らと仲良く話しましょう」

思わず立ち上がった私に、ゆうさんが優しく笑って座る様促してくれた。何もしないのは申し訳ないが、無理に手伝うのも悪い気がして座り直す。すぐに佐久間さんが元気に話しかけてくれて、場を盛り上げてくれた。その間にも長方形のテーブルには次々とパスタやオムライス、サラダ、フルーツ、何て料理かは分からないけど美味しそうなお肉やお魚が並んでいく。こんな沢山美味しそうなものに囲まれたのは生まれて初めてだ。



[*前へ][次へ#]

5/12ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!